河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

化学

2019年度入試の問題分析

出題形式は数年間変わっておらず、2019年度も大問4題で構成され、各設問に計算、記述、選択問題など多岐にわたっている。試験時間はどの日程の問題でも70分(医学部は2科目で120分)で、標準的な問題を中心に出題されている。毎年ほぼ同じ分量であるが、2016年度以降は長めの問題文が出題され、難度がアップしている。 [1]小問集合:小問3問で、1問は計算問題が出題される。理論、無機、有機と多岐にわたって出題される。組み合わせ式(組解答)の選択肢が多く、基本問題だが侮れず、時間配分が難しい。 [2]無機分野:周期表、各族の反応と性質についての設問が中心である。金属イオンの系統分離に関する問題の出題が多く、要注意である。 [3]理論分野:日程によって出題分野は異なるが、気体、熱化学、酸塩基、電気化学、反応速度、化学平衡などやや重い計算問題を含めた出題である。計算問題には有効数字が指定してある。標準的な問題の出題であるが、2019年度も2016年以降の出題形式と同様に問題文が長く、また、思考力を問われる設問も増加しており体感的な難しさがある。 [4]有機分野:脂肪族、芳香族が中心の出題で、物質名を問う問題は選択肢から選ぶことが多い。構造式の解答例は解答用紙に記載されている。標準的な設問が多く、確実に解答したい。天然高分子や合成高分子の出題の難度がアップしている。

2020年度入試対策・学習アドバイス

まず、基本事項の整理を

標準問題を中心とした出題であり、基本~標準問題の演習を積み重ねて基礎力を充実させたい。そのためにはまず、基本事項を徹底的に整理することから始めてみよう。人名に関する問題も出題されやすいので、チェックしておくこと。

【理論分野】化学結合、結晶格子、気体や物質の三態、溶液の性質、酸・塩基、酸化還元、電池、電気分解、反応速度、化学平衡(電離平衡・溶解度積も含む)を中心に基本事項をまとめよう。

【無機分野】周期表に関連させて、同族元素ごとにそれぞれの性質をまとめて整理し、化学反応式が書けるようにしておくこと。また、金属イオンの系統分離は出題頻度が高いので、演習も含めてしっかり準備しておくこと。

【有機分野】丸暗記中心にならないように、項目別に反応を系統立てて整理することが大事である。特に芳香族化合物には注意すること。また、天然高分子(糖類やアミノ酸・タンパク質、生命分野)や油脂は早めに整理して、苦手意識が強くならないように注意すること。

類題演習で内容の定着を

すべての日程で同じ出題形式であり、入試突破をめざすためには、志望学部の問題だけでなく、他学部(他日程)の過去問も必ず解き、類題演習を繰り返して各分野の内容の定着を図ってほしい。計算問題は、普段から電卓を使わずに効率よい計算をめざすこと。

◆理学部・工学部◆

時間内で7割の得点をめざすこと。

◆薬学部◆

時間内で8割以上の得点をめざすこと。特に化学は高得点を必要とするので、計算ミスやケアレス・ミスに注意すること。

◆医学部医学科◆

ほぼ満点(9割ではない!)が必要であり、ケアレス・ミスに注意すること。