河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

現代文

※前年度入試の学習アドバイスです。今年度情報は9月下旬より順次更新いたします。

2018年度入試の問題分析

例年どおり短めの文章が評論・随筆を中心に2題

現代文は2018年度も各学部2題ずつの出題。本文字数は各問題とも1題1,200~1,500字程度が多く、入試現代文の本文字数としては少なめなのも例年どおり。文章が短いぶん緊密な論理構成が見られ、字数の割には凝縮され充実している印象がある。その種類は評論を中心に、2018年度に限らず例年、文化論、人生論、言語論、文学・芸術論、メディア論など多彩な分野から出題され、何々論といった括りが難しい広い意味での文明批評など、テーマ的にも幅広い。2018年度のトピックとして特筆すべきは、「全学部」の現代文の問題のうち1題が何と小説(梶井基次郎の『筧の話』)だったこと。随筆ならともかく、小説が出たのは稀有といってよい。

空欄補充が合否の鍵

1題あたりの設問数は6~8問といったところ。選択問題も含めすべて記述式で、選択問題では数字や記号を、それ以外は文字や語句を解答欄に記入させる形式。西南学院大学の現代文の特徴は、2017年度から若干減りはしたがやはり空欄補充問題。一口に「空欄補充」といっても、文章内容の流れを読み取って、語群から熟語を選んで補わせる問題や、選択肢から語句や慣用句を選んで補わせる問題を中心に、本文中のほかの箇所から該当語句を探し出して補充させるような問題もある。ほかに漢字の読みと書き取り問題、該当箇所の抜き出し問題、じわりと比重が増しつつあるかに見える内容理解を問う選択問題・正誤判別問題、本文にちなんだ文学史の知識を問う問題なども、定番。

2019年度入試対策・学習アドバイス

多様な文章に慣れ親しむ

苦手意識を言い訳に現代文の勉強をなまけているようでは絶対に駄目。普段から学校や塾の授業を大切にして、可能な限りいろんな種類や内容の文章に触れておくこと。古めの著者が書いた古風な文章も読み慣れておきたい。また文章読解では、形式段落などに留意しての論理的な脈絡や、同語反復・言い換え・対義語などの語句同士の関係など、しっかり把握しながら読む習慣を身につけておくこと。そして日常会話では珍しい硬くて抽象的・概念的な言葉や、現代では使用がまれな古めかしい慣用表現に出合ったら、手間を惜しまず国語辞典を引くよう習慣づける。こうしてコツコツ地道に積み上げる普段からの努力が、語彙(ごい)力を問われる空欄補充問題をはじめ、いずれの問題の攻略にも有効だ。また、新聞掲載の論評記事やコラムなどは積極的に読み、日頃から読解力を鍛えておこう。辞書や用語集などを手近に置いて、観念的な哲学用語や慣用表現に出合ったらすぐに調べてみる習慣も大切だ。安直な勉強法では身につかない本当の意味での「実力」は、ちょっとした地味な努力で身につくものだ。

問題を解いて本番に備える

入試までに標準レベルかやや難度の高い問題集を、なるべく数冊仕上げておきたい。西南学院大学の入試問題では、「論述」と呼ばれる記述式の説明問題の出題は見られないものの、問題集選びにあたっては記述式の説明問題も若干混じったものを選ぶ方が、文章に対する十分な理解力を養う練習という意味ではより効果的。知識問題に関しては、漢字はいつでも楷書で丁寧に書くよう習慣づけ、文学史も専用の問題集を使って基本事項を中心に一通りはやり抜いて、入試に備えよう。