河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

古文

※前年度入試の学習アドバイスです。今年度情報は9月下旬より順次更新いたします。

2018年度入試の問題分析

出題文の出典の傾向は従来どおり

2018年度は、全学共通問題を含む全5題中の過半が平安・鎌倉時代の著名な物語・日記・随筆・歌論からの出題で、室町・江戸時代からの出題は1、2題という従来の傾向どおりの出題であった。ただ、江戸時代の文章が出題されても、そこに用いられている文法・文体は、平安時代中期のもの(高校で中心的に学習するもの)に倣っているので、出題文の成立時代やジャンルにとらわれ過ぎてはいけない。2018年度の和歌の出題は1問のみであったが、和歌が絡む文章が出題されやすいという従来の傾向が途絶えたとは考えない方がよい。

難度の高い本文の出題あり

本文は600~900字と短いが、5題中2、3題の本文は難度が高く、設問も易しくない。設問数は6~9問、枝問総数は、どれも17問程度である。①短語句の意味、②理由などの内容説明、③文法(助動詞の意味・敬語など)、④漢字の読み、⑤文学史など多岐にわたって問われ、客観式が8割で、記述は5字以内の短いものばかりである。選択肢に頼らずに正しく内容が理解できているのかを確認するため、設問で求めた内容に該当する箇所を本文から抜き出させる形式(難度が高い)を多用してきたが、2018年度も3題で出題された。新傾向として2014年度から始まった、本文の内容に合致する選択肢を選ぶ設問も5題すべてで出題された。

2019年度入試対策・学習アドバイス

物語・日記・歌論を中心に学習

本文の難度が高いという出題傾向にあわせて、文章の難度が高い平安・鎌倉時代の作り物語・日記・歌論を用いて、正しい内容理解力を鍛えておく。そこで培った学力は、ほかの時代やジャンルの文章にも広く応用できる。また、高校や予備校のテキストに掲載されている箇所がそのまま出題されることもあるので、高校や予備校の授業内容をきちんと自分のものにしておくことも大切である(2015年度の『とりかへばや物語』は、同じ年の河合塾夏期講座「西南・福大国語」の予想問題とまったく同一箇所から出題された)。

やはり基本が大切

勘やフィーリングで読んでいては伸び悩む。文法と古語(約500語)を覚え、その知識に基づいて、きちんと訳す力を養成することがスタートラインである。

なるほどと納得しながら読み解く

合格ラインに達するには、単に正確に訳すだけでは不十分で、具体的に内容を理解する力を鍛える必要がある。書かれていない主語や目的語などを正しく判定し、指示語の指示内容を明らかにして、サクっとではなく、書かれている事柄を一つひとつ「なるほど」と納得しながら読み進めていく学習を習慣づけてほしい。解く時間が気になると思うが、まずは、きちんと内容を理解できる力を養成することが大切で、このやり方を11月いっぱいまで続け、次に演習量を増やしてスピードアップを図るという二段階作戦を勧めたい。

授業を聞くのが一番

古文を苦手にしている場合、その解消には、設問に関連した、本文の難しい箇所の読み解きの方法について、先生・講師の解説を聞くのが一番効果的である。ただし、予習をして聞かないと、効果が半減する。問題集を用いる場合は、解説が詳しくわかりやすいものを用いることが不可欠である。

文学史・和歌対策

文学史は、国語便覧の文学史年表で、ジャンル・成立順・作者などを覚え、河合出版の問題集『頻出・日本文学史』などで演習する。和歌は、和歌絡みの文章の演習をするほか、百人一首の和歌をまず自分で訳してみて、解説を読むのも効果的である。