河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

現代文

2018年度入試の問題分析

厳しい時間制約のなかでの情報処理

2018年度一般入試の国語は60分で大問2題の構成。大問1の現代文は10,000字程度の評論が本文として出題。例年どおりの本文量であるが、これはほかの一般的な入試現代文の本文と比較すると、非常に長大なものである。設問数も多く、例えばA日程では10問(マーク数は36)だった。2017年度よりも大問1(現代文)としては設問数が減少した格好だが、大問2も含めた総マーク数は53と、総合的には解答すべき問題は増加している。時間は60分であることを考えると、依然として厳しい時間制約のなかで本文を読み進め、本文情報を手際よく処理しながら解答の選択肢を判断していく能力が要求されているといえるだろう。本文内容は年度・日程によって多岐にわたるが、特に論理の込み入ったものではなく、標準的な難易度である。いずれの基本的な出題構成は例年どおりで、漢字問題、空欄補充が中心。空欄補充問題は、文脈を捉えて、適切な語彙(ごい)や表現を挿入する設問もあるが、副詞、接続詞を補充する設問もある。過去には国語文法、用法を直接的に問う出題もあったので、語彙(ごい)力や読解力だけでなく、文法的な理解といった面も含めて、幅広く「国語」の知識を養成しておきたい。設問一つひとつは知識問題が多く、知っていれば即答できる性質のものも多いが、いかんせん本文中の空欄の数がかなり多いため、本文の読解作業は遅々として進みにくいものとなるだろう。このような出題形式は甲南女子大学においては例年どおりのものであり、珍しいことではないのだが、他大学と比較すれば類例の少ない出題形式である。過去問の演習が不十分な受験生にとっては戸惑うことは必至で、試験時間内に解答を終えることは困難であるものと思われる。

2019年度入試対策・学習アドバイス

「知識」のもとに、即答できる力を

甲南女子大学の入試問題は先述のとおり、精緻な読解力だけでなく、語ご彙いや国語表現の様々な知識をも数多く要求する。この対策としては過去問の演習を中心に標準レベルの私立大学向け問題集を活用し、制限時間を意識しつつ、消去法を用いて選択肢を迅速に片づけていく「情報処理」の経験を数多く重ねておこう。また、演習した問題文を通じて国語表現力や、語彙(ごい)力を養う姿勢を持ってほしい。漢字問題も必出で2018年度では出題数は5問に減少したが、語彙(ごい)の空欄補充も併せて考えると、試験で要求される語彙(ごい)の数は多い。漢字問題集や現代語用語集、国語便覧などにも十全に取り組んでおくべきだろう。「その漢字・語句の意味がどういったものなのか」を普段から意識し、知らなければ辞書を引いて覚えるというような真摯な取り組みも当然必要になってくるはずだ。「思考する」要素ももちろん入試には必要だが、思考の礎となる用語の理解や文法的知識をないがしろにしてはいけない。まさにそういった部分こそが甲南女子大学の入試問題では強く試されている。この試験への対策で培われた語彙(ごい)力や、制限時間内での高い情報処理の能力は大学生活、ひいては社会人になってからも必ず役に立つ。そうした気概をもって受験生諸氏が奮闘してくれることを強く期待する。