河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

生物

※前年度入試の学習アドバイスです。今年度情報は9月下旬より順次更新いたします。

2018年度入試の問題分析

試験時間は60分で、大問数は4題(マーク数は62)であった。出題はすべてマークシート方式であり、マーク数が多く、時間に余裕がないと思われる。大学が発表している出題範囲は「生物基礎」の全範囲、および「生物」の「生命現象と物質」「生殖と発生」「生物の環境応答」であり、「生態と環境」と「生物の進化と系統」は含まれない。2018年度入試では、〔I〕窒素循環と生体を構成する物質、〔II〕神経、〔III〕植物や動物と微生物の共生関係、〔IV〕遺伝といった内容が出題された。教科書に記載されている内容に準じた標準的な知識問題が中心であり、2018年度入試では、〔I〕のすべて、〔II〕の前半、〔III〕の一部が知識問題であった。一方、考察問題も出題される。2018年度入試では、〔II〕で神経回路、〔III〕で腸内細菌と健康の関わりを題材にした考察問題が出題された。これらの問題は、日頃から知識問題だけでなく、初めて見る題材を扱う考察問題を演習していなければ時間内に解答することが難しいと思われる。また、2018年度入試では〔IV〕で遺伝計算が出題され、問題集などで同様の問題を練習していなければ全滅の可能性があり、2018年度入試において最も差がついた大問であったと思われる。

2019年度入試対策・学習アドバイス

教科書を開こう

当然のことながら、問題作成の基準となるのは教科書であり、教科書に記載されている内容が出題される。参考書、問題集、資料集など、学習のツールは様々なものがあるが、まずは教科書を開くことから始めよう。

出題範囲に注意し、知識の抜けがないようにしよう

「生物」の出題範囲は、「生命現象と物質」「生殖と発生」「生物の環境応答」までであり、「生態と環境」「生物の進化と系統」は範囲外である。しかし、「生物基礎」は全範囲が出題範囲なので、生態関連の分野でも植生の遷移やバイオームの分布、生態系などの内容は出題される。2018年度入試では、〔I〕で窒素循環や環境問題が、〔III〕で種間関係に関する内容が出題されたが、ともに生物基礎の教科書に記載されている内容で解答できる問題であった。

まずは標準的な知識を頭に入れよう

例年、文章中の空欄補充問題が多く出題され、全体的に生物用語などを尋ねる問題が多い。このような知識問題で失点すると高得点は望めないので、標準的な知識をしっかり定着させることが重要である。マークシート方式だからといって、「聞いたことがある」「何となく知っている」という状態では、高得点を取るのは難しい。難度の高い問題にあまり気をとられすぎず、教科書にゴシック体で書かれている重要語句を中心に、幅広く知識を定着させよう。正答率の高い問題を落とさないことが合格するための必須条件である。

頻出の計算問題の練習をしよう

例年、様々な分野の計算問題が出題される。特に、問題集に同様の問題が載っているような頻出の計算問題は差がつきやすく、合否を分ける問題となる。限られた試験時間のなかで、条件を正確に読み取り、式を立て、計算間違いをせずに解答にたどり着くのは難しく、普段の練習量がものをいう。神経の伝導速度の計算、酸素解離曲線の計算、尿計算などの問題は、繰り返し練習して早めに攻略しよう。2018年度入試では〔IV〕で遺伝計算が出題され、十分に問題演習を行っていなければ解答が難しかった。