河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

物理(医学部)

※前年度入試の学習アドバイスです。今年度情報は9月下旬より順次更新いたします。

2018年度入試の問題分析

出題される大問数は4題で、そのうちの3題は「力学」「電磁気」「原子物理」の各分野からの出題であり、あと1題は、例年どおり物理の様々な分野からの小問集合問題としての出題であった。解答の形式は、一部に空所補充形式の問題を含む問い形式の問題(力学)、問い形式だけの問題(電磁気)、空所補充形式の問題(原子物理)、小設問が5問の問い形式の問題(小問集合)であった。試験時間は理科2科目で120分である。また、「電磁気」分野からの出題が2018年度は復活し、「原子物理」分野からの出題は2年連続である。そして、2018年度もまた小問集合で「電力」に関する問題が出題された。この「電力」の問題は定着していくと思われる。問題の難易度は、入試問題として標準的な問題がほとんどだが、一部やや難度の高い問題が出題されることもある。問題の質的、量的な傾向から考えると解答時間に余裕があるとは思えない。したがって、一部の難しい問題の解答に必要以上に時間をかけることなく、容易に解答できる問題から順に、てきぱきと答案作成を進めていくことが肝要である。

2019年度入試対策・学習アドバイス

各分野の基本事項をマスターせよ

出題の特徴としては、大問のひとつが小問集合であることも含め、物理の様々な分野からまんべんなく出題されていることにある。したがって、苦手な分野をつくらないようにし、物理全般に対し、基本的な概念や法則を正しく身につけるような学習が求められている。具体的には、問題を解くときに用いる「物理法則」などは、教科書を丁寧に読み、その導出のプロセスを自らも再現できるようにしておくことが必要だ。なぜなら、「物理法則」の導出のプロセスのなかにこそ、物理として非常に重要な見方や考え方が含まれているからである。したがって、その導出を再現することによって、問題を解くために必要な着眼点や概念を身につけることができる。また、問題の難度は全体としては極端に高いわけではないので、いわゆる難問ばかりをじっくりと時間をかけて解く必要はない。むしろ、標準的な問題を正確に、あまり時間をかけずに解くことを練習した方がよい。ただ、決して平易な問題ばかりではないので、物理の基本事項を徹底的にマスターしたうえで、標準的な問題の最後の設問まで解ききる能力を身につけることが重要である。こういう能力こそ、真の意味で合格に必要な学力である。

過去問の演習を徹底せよ

教科書の学習や標準的な問題集の演習を通して、物理の基本事項が身についたならば、次は過去問の演習に取りかかるべきだ。その際に大切なことは、必ず理科2科目を120分の解答時間で解く練習をすることにある。ここで、実際の問題の難易度と問題量、そして解答に要する時間などを体験してほしい。きちんとシミュレートすることによって、時間配分や解答すべき問題の見極めなどの戦略を身につけることができる。ただし、過去問演習はあくまで傾向を知ることに目的があるので、物理の学力がきちんと身についた後で行えばよい。学習のはじめの段階から、過去問ばかり解けばよいというものではない。真に重要なことは、前述したように標準的な問題を最後まで解ききる能力を獲得することにある。この能力を武器にすれば、合格への道程を着実に歩んで行けるだろう。