河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

数学III・B(医学部)

※前年度入試の学習アドバイスです。今年度情報は9月下旬より順次更新いたします。

2018年度入試の問題分析

全5題、内訳は数学III分野の微分・積分を中心とした問題が2題、数学IIの不等式の証明が1題、数学Aの確率から1題、数学Aの図形の性質が中心の論証問題が1題である。突出した難問はないとはいえ、制限時間内に最後まで解ききるためには、正確で迅速な計算力や数学的なひらめきを要する部分もあり、必ずしも得点がしやすいセットとはいえないだろう。しかし、受験生の標準的な数学力を測るにはちょうどいい難易度設定であり、力の差がはっきりと表れるセットであったといえよう。[1]は数学IIIの微分法からの出題で、極値を調べてグラフを描き、曲線と直線の共有点の個数を求める出題であった。計算ミスなく完答したい。[2]は数学IIの不等式の証明。設問の意図を慎重に読み取る力が求められ、差がついたであろう。[3]は数学IIIの積分法からの出題で、四面体を回転させてできる立体の体積を求める。2017年度も同様のテーマが出題されており、練習量で差がついたかもしれない。[4]はゲームをテーマとした問題。2018年度も2017年度に引き続き[4]で出題された。問題文は複雑であるが、内容はシンプルであるので問題の構造が把握できたかどうかがポイントである。[5]は図形をテーマとした論証問題。この分野の対策ができていたかどうかで大きな差が出たであろう。

2019年度入試対策・学習アドバイス

大阪医科大学の入試問題は比較的はっきりとした特徴が見られるので過去問対策は大切である。まずは多くの問題が数学IIIを絡めた出題となっている。計算練習の差がはっきりと得点差になって現れる分野なので、この分野の計算問題(極限、微分・積分)についてはどのようなものが出ても解けるように練習を積んでおこう。そのうえで頻出となる「求積問題」と「不等式証明」の対策をするとよい。「求積問題」とは図形の面積や体積を問う問題であり、過去によく出題されている。難易度としては標準的なのでこの問題の出来不出来は合否を分けることになるだろう。「不等式証明」は大阪医科大学の好む内容である。過去問でどのような出題傾向があるか研究しておくとよい。数学III以外で定番であるのは「確率」分野だが、基本的な力を試すものであり、一見難しい表現に惑わされずにすべての場合を丁寧に書き上げれば答えられるような問題も多い。漸化式との融合も頻出である。また2018年度は出題がなかったが、複素数平面など新課程から教科書で扱われている内容にも注意して勉強しよう。

総じて難問であっても小問誘導が丁寧につけられることが多く、先の小問が解けなかったとしてもその結果を利用して次の小問が解けるようなケースも多い。序盤の問題が解けないからといって大問をすべて捨ててしまうということがないようにしたい。また、100分という短い制限時間を考えれば、時間配分や問題の取捨選択も上手にできることが大切である。問題の練習をするときも時間を区切って行い、擬似的にそのような状況を自分に課すトレーニングをしていくとよい。そのなかで、計算ミスなどを防ぐ手段を自分なりに模索し、簡潔にそして論理的に答案をまとめる訓練を積むことも大きな力となるであろう。