河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

数学III・B

※前年度入試の学習アドバイスです。今年度情報は9月下旬より順次更新いたします。

2018年度入試の問題分析

「理工型」は4題出題され、出題形式はすべて記述式である(1題は3問の小問集合)。難易度については、基本的、標準的な知識と計算力を見る出題になっている。 ただし、全問が「完全な記述式」なので、答案に答えだけを書いても評価してもらえないのはいうまでもなく、答えに至るまでの論理過程が重視される。出題分野は数学I・A・I・B(数列、ベクトル)・IIIである。出題された分野は、整数、平面ベクトル、空間ベクトル、三角関数、対数、場合の数・確率、数列、数学IIIの微分・積分(微分の計算、増減、極値、凹凸、グラフ、最大値、面積など)、複素数平面などが出題された。ベクトル、確率、数学IIIの微分・積分からの出題が多い。このことは注目すべき点である。

2019年度入試対策・学習アドバイス

自分の考えを伝える力をつけよう

記述式なので最後の答えが一致しても根拠が記述されていなければ大きく減点される。逆に、最後の答えを間違えても、論理展開や途中の計算が正しい場合には評価してもらえる可能性がある。したがって、日頃から問題を解くとき、急いで答えを見つけようとするのではなく、自分の考えを、「式」「グラフ」「図」「表」「日本語」などを駆使して論理的に、しかもコンパクトに表現する習慣をつけておく必要がある。このような力は日頃の努力により身に着くものである。

難易度としては、難問はなく、基本的、標準的な問題が出題されるので、教科書準拠の問題集の基礎、標準レベルの問題を練習すればよいだろう。

数学II・IIIの微分・積分重視

ここ数年、数学II・IIIの微分・積分の出題が多い。一般に微分・積分を不得意とする受験生が多いが、この分野は、学習量に応じて学力が伸びる努力の報われる分野なので十分時間をかけて学習しておきたい。微分・積分は学習すべき内容が多く、最終学年で学習する分野だからか、問題の演習量の足りない受験生が多数見受けられる。出題される問題は典型的なものばかりなので、早い段階から計画的に学習しておきたい。具体的には、しっかり計算力をつけなければならない。極限を求める計算、微分をする計算、積分をする計算である。これができなくては正解にたどり着けないのである。この計算力をつけた後は、微分・積分の典型問題の練習を行えばよい。

なお、2018年度は、確率からの出題も多かった。問題文により定義しているルールを(場合により実験などをして)把握しなければ解答できないので、論理的に考える力を見ることができるからだと想像できる。

2019年度は数学Aの「整数」、数学IIIの「複素数平面」が狙われる

2018年度は実質新課程入試の3年目になり、新課程の分野である「複素数平面」「整数」の出題が多かった。重要な分野なので、2019年度も出題される可能性が高い。なお、2018年度は「空間ベクトル」からの出題であったが、「空間座標」も狙われる分野である。

じっくりしっかり答案を書こう

試験時間は、4題90分なので少しきついが、慌てて解いてミスをすると元も子もない。どれくらいの分量であるかを知っておく必要があるので、過去問を1題につき20~25分で解いてみることを勧める。そのことから答案をつくる時間配分などがわかり、入試本番においても落ち着いて臨めるからである。