河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

現代文

※前年度入試の学習アドバイスです。今年度情報は9月下旬より順次更新いたします。

2018年度入試の問題分析

A日程(60分)は、各実施日ともに大問2題で評論文と小説(小説の代わりに古文を選択可)。B日程(2科目で80分)も各実施日とも大問1題で、評論文が出題された。A、B日程ともに基礎学力の確認を目的として出題されたものであり、日頃の学習の着実な積み重ねによって対処できる、標準的な問題であるといえよう。まず、問題文について見ると、A日程では、美馬達哉『リスク化される身体』、西部忠『資本主義はどこへ向かうのか』などの現代社会と人間を扱う評論文と、玉岡かおる『ひこばえに咲く』、堀江敏幸「プリン」などの現代小説が出題される一方、B日程では、水村美苗、加藤周一のような書き手による、文学、言語、教育などをテーマにした人文系の評論文が出題された。論理構成、論理展開を追うことさえできれば内容のポイントは理解しうる、比較的読みやすい文章だといってよいだろう。つぎに、出題内容について見ると、A、B日程ともに、(1)漢字の知識、(2)語句の知識、(3)文脈を読み取る力、(4)広く文脈を読み取る力を問う意図のもとに、指示内容、接続語、文中の言い換え、脱落文挿入、心情や場面の推移の理解、表現の特徴、論理展開、筆者の主張、内容合致などが問われた。すべてマークセンス式の選択問題であり、特にA日程に関しては、文中に引かれた4つの傍線部に関して文脈理解力を問うたうえで、全体の趣旨の理解を問うという、センター試験に近い問題構成となっていた。B日程に関しては、傍線の数や位置は実施日によって異なるが、各部分の文脈理解を問うたうえで全体の趣旨の理解を問う点は、A日程と同様だった。

2019年度入試対策・学習アドバイス

前記の出題意図(1)~(4)を理解し、それらを念頭に置きながら、日々の学習を着実に積み重ねていくことが、攻略の近道である。漢字力(常用漢字と、常識として知っておくべき読みの知識)および語彙(ごい)力(四字熟語、ことわざ、慣用表現、評論用語などの重要語句の意味の知識)については、問題集やドリルを用いて学習し、ぜひ得点源にしてほしい。(3)の文脈理解力に関しては、過去問、および似た傾向の問題を収録した問題集を解きながら、普段から力をつけていってほしい。その際、問題文を4つ程度の「意味段落」(小説の場合は「場面」。傍線の位置と数に対応)に分けて、それぞれの小見出しをつけるトレーニングを重ねることが、実力アップへの近道である。一つひとつの意味段落(場面)には、それぞれ言い表したいこと(小説の場合は思いや心情)がひとつある。そのひとつを的確に取り出すことを、小見出しをつける際の目標にしてみてほしい。(4)の広い文脈の理解力を身につけるには、(3)の学習と連動する形で、評論の場合は、全体の要旨を50~100字程度で要約する訓練を重ねていくとよい。また小説の場合は、小説の出発点におかれる思い・心情(A)が、あるきっかけ(C)を通して、最終的な思い・心情(B)にたどり着く様を、図式的に押さえる訓練を積み重ねていくとよいだろう。問題を解いた後の復習としては、間違った箇所について、その間違いの原因をしっかり分析し、次につなげよう。また、本文に出てきた言葉で、意味のわからなかったものについては、辞書などで調べ、着実に身につけていくようにしよう。