河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

現代文

※前年度入試の学習アドバイスです。今年度情報は9月下旬より順次更新いたします。

2018年度入試の問題分析

文章読解(第1問および第2問)、国語常識(第3問=前期Aは四字熟語、前期B・Cは慣用句)、近現代の文学史(第4問)という4つの大問からなる出題であり、全問マーク式という方式を含めて、例年どおりの形式が保たれている。文章読解問題は、各日程ともに標準的な内容と分量の評論文からの出題である。例えば前期A日程では、行為にとって意志以前の気持ちが持つ重要性を説く國分功一郎『中動態の世界 意志と責任の考古学』、暴力を行使しつつそれを合法的なものとする国家の在り方を述べた萱野稔人『国家とはなにか』のように、弱い主体としての人間に定位しつつ現代社会を考察する構えの文章が出題された。接続語や適語の空欄補充、脱文補充、傍線部説明、内容合致が問われるが、奇をてらわない取り組みやすい問題である。したがって、問題演習の積み重ねによる丁寧な読解力の習得、着実な知識の獲得が、普段の学習の基本方針となるだろう。言葉の知識に関しては、基本的な四字熟語とその意味が問われた。また文学史では、「医者でもあった明治大正期の作家の作品」として『高瀬舟』を選ばせ(作家は森鴎外)、『濹東綺譚』の作家が主宰した雑誌として『三田文学』を選ばせる(作家は永井荷風)など、幅広い関心や知識を問う問題である点にも注意したい。

2019年度入試対策・学習アドバイス

読解問題への対策

何よりもまず、問題演習の反復を通じて、文章の趣旨と論理展開を丁寧に、かつ正確に読解する力の習得を心がけてほしい。読解に際しては、本文全体のキーワード、キーセンテンスを押さえることが最重要課題だが、その際には、本文のタイトルが大きなヒントになる場合が多い点にも注意したい。筆者の言いたいこと(主張)を正確に把握するには、論理の流れを後づけていく作業が必須である。各段落に段落番号を振り、その要点をチェックしたうえで、さらにいくつかの意味段落にまとめ、その各意味段落のキーワード、キーセンテンスを取り出す訓練をするようにしたい。ひとつの意味段落(面=文脈)から意味段落(面=文脈)へと読みつなぎ、論理展開を把握しつつ、全体(=文脈)の把握を試みることが読解の基本であり、選択肢一つひとつの丁寧な検討を支える条件である。傍線部説明問題では、傍線部に関連する前後の文脈の正確な理解が解答の根拠になることを、また脱文補充問題では、脱文そのもののなかに正解を導くための重要な情報が含まれていることを忘れないようにしたい。また、基本的な評論用語、基本語句、接続語の知識や理解についても、普段から学習を積み重ねていきたい。

知識問題への対策

文学史、慣用句、四字熟語など、要求される知識の分量が多く、しかも出題のポイントがはっきりしているので、目的意識を持った学習が必要である。国語便覧、あるいは参考書の記述をノートにまとめ、覚えていく作業を踏まえて、問題集(ドリル)に繰り返し挑んでみること。特に文学史では、難しめの問題が出題されるので、作者と作品名だけでなく、雑誌のタイトルとその関係者、詩や俳句、短歌の領域、有名作品の冒頭部などに関する踏み込んだ知識の習得を、一夜漬けに頼らずに、普段から心がけておくようにしたい。