河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

現代文

2019年度入試の問題分析

文章読解(第1問および第2問)、近現代の文学史(第3問)、国語常識(第4問=慣用表現など)という4つの大問からなる出題であり、全問マークシート方式という方式を含めて、例年どおりの形式が保たれている。文章読解問題は、各日程ともに標準的な内容と分量の評論文からの出題である。例えば一般A日程では、異なる価値観の公正な共存に基づくリベラル・デモクラシーの重要性を説く長谷部恭男『憲法とは何か』、ポピュリズム(エリートに対する大衆の権利尊重を説く思想)が民主主義に持つ功罪を述べた水島治郎『ポピュリズムとはなにか』のように、現代社会と民主主義の関係を考察する文章が出題された。接続語や適語の空欄補充、脱文補充、傍線部説明、内容合致が問われるが、奇をてらわない取り組みやすい問題である。したがって、問題演習の積み重ねによる丁寧な読解力の習得、着実な知識の獲得が、普段の学習の基本方針となるだろう。また文学史では、「芥川賞と直木賞を創設するなど、文芸の普及に貢献した作家」(菊池寛)、「谷崎潤一郎 の作品ではないもの」(『小僧の神様』)など、単に作家と作品を一対一で結ぶだけでなく、幅広い関心や知識を問う問題が出題された。言葉の知識に関しては、「取りつく島がない」「李下に冠を正さず」といった慣用句の知識が問われた。

2020年度入試対策・学習アドバイス

読解問題への対策

何よりもまず、問題演習の反復を通じて、文章の趣旨と論理展開を丁寧に、かつ正確に読解する力の習得を心がけてほしい。読解に際しては、本文全体のキーワード、キーセンテンスを押さえることが最重要課題だが、その際には、本文のタイトルが大きなヒントになる場合が多い点にも注意したい。筆者の言いたいこと(主張)を正確に把握するには、論理の流れを後づけていく作業が必須である。各段落に段落番号を振り、その要点をチェックしたうえで、さらにいくつかの意味段落にまとめ、その各意味段落のキーワード、キーセンテンスを取り出す訓練をするようにしたい。ひとつの意味段落(面=文脈)から意味段落(面=文脈)へと読みつなぎ、論理展開を把握しつつ、全体(=文脈)の把握を試みることが読解の基本であり、選択肢一つひとつの丁寧な検討を支える条件である。傍線部説明問題では、傍線部に関連する前後の文脈の正確な理解が解答の根拠になることを、また脱文補充問題では、脱文そのもののなかに正解を導くための重要な情報が含まれていることを忘れないようにしたい。また、基本的な評論用語、基本語句、接続語の知識や理解についても、普段から学習を積み重ねていきたい。

知識問題への対策

文学史、慣用句、四字熟語など、要求される知識の分量が多く、しかも出題のポイントがはっきりしているので、目的意識を持った学習が必要である。国語便覧、あるいは参考書の記述をノートにまとめ、覚えていく作業を踏まえて、問題集(ドリル)に繰り返し挑んでみること。特に文学史では、難しめの問題が出題されるので、作者と作品名だけでなく、雑誌のタイトルとその関係者、詩や俳句、短歌の領域、有名作品の冒頭部などに関する踏み込んだ知識の習得を、一夜漬けに頼らずに、普段から心がけておくようにしたい。