河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

古文

2017年度入試の問題分析

2017年度一般前期入試では、鎌倉時代の仏教説話集『沙石集』が出題された。本文量は約560字で、標準的な私立大学入試と比較すると、やや少なめである。しかし、本文は敬語が多用されたものであり、本文内容も、姫君の一風変わった言動の把握や、逸話と教訓を関連づけた理解などが必要で、短時間で容易に読解できるような難易度とはいえないだろう。

設問の解答形式は全問マーク方式で、マーク総数は10であった。設問内容は、解釈問題(「いたく物な仰せられ候ひそ」「さかしく教ふる」「心やすく思ひまゐらせ候へ」「やがて参らせむ」)、説明問題(内容説明・理由説明・教訓内容の説明・「誰が、どの人物のどういった行動に対して思ったのか」の説明)がともに4問、動作の主体把握の問題(3ヵ所の組み合わせ)、文学史問題(『沙石集』以降に成立した作品)がともに1問ずつ出題された。2017年度は、純粋な文法問題は見られなかったものの、解釈や動作の主体把握の問題が、敬語も関わるものだったので、文法力が問われていないわけではない。誤解しないように。また、2017年度は、様々な形で「具体的にどういうことか」を把握させる問題が目立った。

2018年度入試対策・学習アドバイス

単語と文法

本文読解のためには、まず単語や文法といった基本の知識を着実に身につけて、本文の直訳ができるようになることが大切である。単語については、市販の重要単語集などを利用して、最低でも300語前後の頻出単語の意味を暗記しておこう。一気に片づけてしまおうとするより、入試直前まで何度も繰り返して覚えていく方が効果的である。文法については、動詞・形容詞・形容動詞の活用、助動詞の活用・接続・意味、頻出の助詞の意味用法を、まずはしっかり押さえたい。そのうえで、紛らわしい語の識別について、識別ポイントを整理して頭に入れ、確実に解答できるように練習しておくこと。また、敬語についても、基本の訳や敬意の方向などを攻略しておくこと。文法が苦手な人は、分厚い問題集でなくてもよいので、重要ポイントの説明と短文のドリル問題の載っている問題集を使って繰り返し練習し、文法力の土台をつくるとよい。文法の知識は、文法問題だけでなく、解釈問題などでも必要となるので、正確に身につけておくことが大切である。その他、有名作品に関する文学史や古文常識についても一通り押さえておこう。

読解力

読解力は、長文を読むなかでしか養われない。ただ単に古文の文章を読むだけでなく、入試頻出問題集などを利用して、「本文を読む力」と「読解問題に答える力」の両方を養っていきたい。長文を読むときには、まずは重要単語や文法の知識を用いつつ直訳するのが基本である。「雰囲気」ではなく「知識」で読むようにすると得点力がアップする。さらに、直訳をベースにしたうえで「誰が」「何を」などの情報を補ったり、「『それ』は何を指しているのか」など曖昧な部分を具体化しながら読むことを心がけてほしい。これこそが読解力を高めることになる。

最後に、和歌も忘れずに強化しておくこと。掛詞を中心に主な和歌修辞の基本を押さえたうえで、長文のなかで前後の文脈も踏まえて解釈ができるように練習を積もう。