河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

数学III・B(医学部)

※前年度入試の学習アドバイスです。今年度情報は9月下旬より順次更新いたします。

2017年度入試の問題分析

問題数は大問3 題で、解答形式は第1問が答えのみを解答欄に記入する小問集合、第2 問と第3 問が途中の過程を含めて論述する記述式である。試験時間は100分。第1問の小問集合の内容は次のとおり。(1)は2次方程式の解の存在範囲の問題。(2)は円に内接する四角形の面積を求める。(3)は4桁の整数をつくる場合の数の問題。(4)は不定方程式の自然数解の個数を求める。(5)はド・モアブルの定理を用いる複素数の問題。(6)は部分分数分解できる数列の無限級数の和を求める。(7)は正二十面体の辺の個数を求める。(8)は四面体の2辺がなす角の余弦を求める。(9)は4次関数で表される曲線に2点で接する直線を求める。(10)は群数列において、特定の項までの和を求める。いずれの問題も基本的ではあるが幅広い分野から出題されており、計算の手間がかかる問題も多い。第2問は媒介変数表示された曲線の概形を図示したうえで面積を求める問題。曲線の動きを的確に調べる分析力と、正確な計算力が要求される。第3 問は5 乗根で与えられた2数について考察する問題。「気づき」を必要とするため、難問といえる。

2018年度入試対策・学習アドバイス

まんべんなく基礎を固めよう

第1問の小問集合については幅広い分野の問題が出題されるため、偏りなくすべての分野を対策しておくことが必要だ。苦手分野であっても必ず基礎は固めておこう。受験生が苦手とする分野から数問を出題する傾向があるので注意が必要である。また、答えのみが要求されるため計算ミスは許されず、計算力の向上は必須。計算力とは、複雑な計算をしっかりと乗り切る「腕力」はもちろんのこと、効率よく計算処理をするための「柔軟性」も重要である。このことを意識して、普段からトレーニングを積んでおこう。出題傾向が変わったこの2年は、第1問の小問の出来が合否に関わったといって過言ではない。

記述力を養成しよう

記述式問題も出題されるため、答えに至るまでの過程を正しく論述する力が必要。まずは標準レベルの問題集で典型問題の解答をつくる練習を積んでおこう。そのうえで、国公立大学の入試問題を演習してやや発展レベルの演習も行うとよい。問題の設定や状況を読み取る力、解決のための目標を見極める力を養おう。自力では解けなかった問題についても、解説をじっくりと読んで理解したうえで、なぜそのような解法をとるのかをしっかりと考え、一つひとつを納得しながら進めていこう。また、2015年度までと傾向は変わっているが、過去問の演習はしておくことが望ましい。物理的な設定の問題は出題されないため外してもよいが、その他の問題については「空所補充」ではなく「記述式」のつもりで解答作成を練習しよう。

数学IIIを攻略しよう

数学IIIの極限・微分法・積分法は以前から最頻出分野であった。典型的な問題が出題されたことが多いので、まずは入試標準の問題集で重要パターンをしっかりと身につけよう。考え方のパターンを定着させるとともに、確実に正解にたどり着くための計算力も必要となるので、必ず手を動かして地道な計算練習を積んでおこう。また、微積分だけに偏らず、複素数平面・2次曲線・極方程式・曲線の長さなどおろそかになりがちな分野もしっかりと対策しよう。