河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

数学III・B(医学部)

※前年度入試の学習アドバイスです。今年度情報は9月下旬より順次更新いたします。

2018年度入試の問題分析

問題数は大問3題で、解答形式は第1問がマークシート形式の小問集合(10問)、第2問と第3問が途中の過程を含めて論述する記述式である。試験時間は100分であり、時間に対する問題の分量はやや多く感じられる。第1問の小問集合の内容は次のとおり。(1)は円柱と球の共通部分の体積を求める。(2)は微分係数の計算。(3)は関数の収束条件と極限計算。(4)はド・モアブルの定理を用いる複素数の問題。(5)は除法の性質を扱う整数問題。(6)は三角形の面積比を求める。(7)は格子点でつくられる平行四辺形の面積の最小値を求める。(8)は漸化式で定義された数列の極限。(9)は不定方程式を満たす整数解の個数。(10)は2変量の共分散を求める。いずれの問題も基本的ではあるが幅広い分野から出題されており、計算の手間がかかる問題も多い。第2問は1ラジアンの余弦の値が無理数であることを示す問題。誘導を生かして、背理法と数学的帰納法を組み合わせた論証を行う。第3問は直線が球面から切り取られる線分の長さの変化を調べる問題。煩雑な式を正確に処理する計算力が要求される。

2019年度入試対策・学習アドバイス

まんべんなく基礎を固めよう

第1問の小問集合については幅広い分野の問題が出題されるため、偏りなくすべての分野を対策しておくことが必要となる。苦手分野であっても必ず基礎は固めておこう。受験生が苦手とする分野から数問を出題する傾向があるので注意が必要である。また、答えのみが要求されるため計算ミスは許されず、計算力の向上は必須である。計算力とは、複雑な計算をしっかりと乗り切る「腕力」はもちろんのこと、効率よく計算処理をするための「柔軟性」も重要である。このことを意識して、普段からトレーニングを積んでおこう。出題傾向が変わった2016〜2018年度は、第1問の小問の出来が合否に関わったといっても過言ではない。

記述力を養成しよう

記述式問題も出題されるため、答えに至るまでの過程を正しく論述する力が必要となる。まずは標準レベルの問題集で典型問題の解答をつくる練習を積んでおこう。そのうえで、国公立大学の入試問題を演習してやや発展レベルの演習も行うとよい。問題の設定や状況を読み取る力、解決のための目標を見極める力を養っておこう。自力では解けなかった問題についても、解説をじっくりと読んで理解したうえで、なぜそのような解法をとるのかをしっかりと考え、一つひとつを納得しながら進めていこう。また、2015年度までと傾向は変わっているが、過去問の演習はしておくことが望ましい。物理的な設定の問題は出題されないため外してもよいが、その他の問題については「空所補充」ではなく「記述式」のつもりで解答作成を練習しておこう。

数学IIIを攻略しよう

数学IIIの極限・微分法・積分法は以前から最頻出分野であった。典型的な問題が出題されることが多いので、まずは入試標準の問題集で重要パターンをしっかりと身につけるとよい。考え方のパターンを定着させるとともに、確実に正解にたどり着くための計算力も必要となるので、必ず手を動かして地道な計算練習を積んでおこう。また、微積分だけに偏らず、複素数平面・2次曲線・極方程式・曲線の長さなどおろそかになりがちな分野もしっかりと対策しておこう。