河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

世界史

2019年度入試の問題分析

問題数は大問4題、小問は49~51問で、2018年度より若干少なかった。出題形式は例年どおり、事項や人名の選択問題と短文の正誤判定問題が中心で、2018年度は出題されなかった(2017年度は出題された)地図問題が、2月1日と2月2日入試でそれぞれ1問出題された。全日程とも解答形式はすべて選択式であり、そのほとんどが4者択一・5者択一・6者択一の問題で、2月1日入試で例年見られなかった8者択一問題が1問出題された。出題分野は例年幅広く、2019年度は古代ギリシア、中世ヨーロッパ史、古代~現代の中国史、イスラーム教とティムール朝・サファヴィー朝、ロシア近代史、近代アメリカ合衆国史、ラテンアメリカ史、戦後のアジア・アフリカ史などが出題され、2018年度も出題された戦後の国際関係に関する問題もかなり出題された。また、例年文化史の出題は多く、2019年度では2月2日入試でやや少なかった以外は全問題数の2~3割程度の文化史問題が出題され、その分野は中国文化史を中心に、古代オリエント文化、古代ギリシアから近代ヨーロッパにかけての文化、イスラーム教とイスラーム文化に関する問題などであった。時代別では、例年前近代からの出題割合が若干高くて6割程度が前近代からの出題であるが、2019年度では、2月1日入試が前近代の割合が約7割と高くて第二次世界大戦後からの出題はなかった。しかし、2月4日入試では約6割が前近代からの問題、2月2日と2月3日入試は前近代と近現代が約5割ずつであり、どの入試日においても第二次世界大戦後から10問程度が出題された。また、2018年度に続き、2月2日入試 47 でNAFTAが問われた。さらに、2月2日入試 48 のG20や 50 の環境と開発に関する国連会議(地球サミット)、2月3日入試 50 の国連難民高等弁務官事務所の略称を問う問題など、2018年度に続いて、近年問題となっている国際関係や難民問題、環境問題を意識したと思われる問題も出題された。

2020年度入試対策・学習アドバイス

基本事項をしっかり押さえよう

名古屋外国語大学の入試問題の多くは、基本的事項を問う問題である。したがって、日常の学習では学校の教科書の、太字で書かれた事項や人名などの基本用語を確実に覚えておくことが大切である。ただ、教科書によって太字の用語が異なるので、市販の用語集を用いて何が基本事項かを判断するのも有効な手段である。なかでも、出題頻度の高い古代から現代までの中国史や中世から現代までのヨーロッパ史、アメリカ合衆国史は重要である。また、イスラーム史などは、入試に頻出でありながら、学習がおろそかになりがちであるからしっかり学習しておいてほしい。また、問題数は多くはないが地図問題もたびたび出題されるので、地図問題に対応できるように、教科書の地図で歴史上重要な都市の位置などを確認しておくことも必要である。

文化史や近現代史の学習を忘れずに

名古屋外国語大学の入試では文化史は例年頻出であるが、多くの受験生にとって文化史対策は遅れがちである。しかし、文化史は基本的な事項(有名な人物とその作品や業績など)を覚えておけば、簡単に高得点が可能な分野である。過去5年間くらいの過去問を解き、そこで問われた基本事項(用語集で基本事項を判断するとよい)や複数回出題されている事項を覚えておこう。また、近現代史、なかでも第二次世界大戦後史を学習する余裕がないという受験生も多いが、2019年度でも、2月1日入試では出題されなかったものの、そのほかでは全問題数の2割程度の戦後史問題が出題された。戦後史を含めた近現代史の問題の出来は、文化史問題の出来とともに合否を大きく左右する。全問正解する必要はないが、ここでも過去5年間くらいの過去問を解くことで、基本的な問題は確実に正解できるようにしておきたい。