河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

現代文

2017年度入試の問題分析

A方式の国語は、例年どおり現代文2題・古文1題・古文または漢文から1題選択の計4題が課された(スポーツ科学部は現代文2題のみ)。解答時間は60分。現代文は、随筆・小説の各1題計2題の出題であった(うち1題が評論の場合もある)。文章量は各2,000字前後。随筆は前近代的な共同体の意義を述べた文章が出題された。例年どおり論旨展開・趣旨が明確で読みやすい。ときに受験生にとって読みづらいと思われる抽象的な文章が出題されることもあるが、読解のための専門的な知識を要するわけではなく、本文に書かれていることを丁寧にたどっていくことができれば設問に対処できる。小説は現代小説からの出題。舞台となっているのが昭和十二年(1937年)だが、場面設定や人物の心情は読み取りやすいものであった。設問は、漢字の読み書き・本文からの抜き出し・空欄補充・傍線部の内容説明・主旨判定・脱文補充など、入試に頻出のものが中心である。2015年度では「樋口一葉の作品」を選ばせる文学史の問題が出されたが、2017年度は出題されなかった。現代文全体の設問数は17問。解答形式は、記述式(漢字の読み書き・抜き出し・語句の意味など)とマークシート方式の併用。2013年度まで記述式の問題が出題されていたが、2014年度以降は出題されていない。設問の難易度はやや易~標準のレベルといえる。

2018年度入試対策・学習アドバイス

標準的な問題演習を

いずれの問題も取り組みやすいレベルである。したがって私立大学用の標準的な問題集で問題を解く練習をしておくことで十分対応できる。ただし、傍線部や空欄の前後の文脈だけで解答できる問題ばかりでなく、文章全体の構造を把握することを前提とした問題や、設問の指示を忠実に守らなければ解答を絞りきれない問題もある。そのため、やたらに問題数をこなすというよりは、論旨展開を意識して文章を読んだり、設問で問われていることを正確に把握したりということにも配慮しながら問題演習を行う必要がある。間違った問題については、なぜ自分の解答では間違いなのか、どこが間違いなのか、というように具体的な原因をつきとめることが大切である。一口に間違いといっても、その原因は知識力不足・注意力不足・読解力不足など様々だ。次に同じ間違いを犯さないためにも復習をおこたらないこと。また、60分で大問4題を解答しなくてはならないが、制限時間のなかで文章を理解し、問題をスピーディに解くということは、一朝一夕にできることではない。本番で慌てることのないよう、日頃から時間配分を考えながら問題を解く練習をしておきたい。

知識問題の学習を

語句の意味については、評論頻出語を中心に覚えておくこと。語彙(ごい)力をつけると、文章をより正確に読めるようになるし、読解のスピードアップにもつながる。

文学史の出題に備えて基本的な事項を確認しておきたい。国語便覧・資料集などの文学史の概要や、薄手の問題集などで、事項の確認を繰り返し行おう。漢字については、やや難しいものも出題されているので、問題集を一冊仕上げておくとよいだろう。

知識問題は総じて日頃からの学習の積み重ねがものをいう。入試直前に慌てることのないように、日頃から知らない事項が出てきた時点で覚えていくようにしたい。