河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

古文

2018年度入試の問題分析

2月1日実施のA方式・B方式を分析する。出典は、幕末の志士橋本左内の『啓発録』で、古文の入試問題としては極めて稀な作品である。本文の字数は約850字。和歌はない。論理は明快で、物語や日記の読解のような難しさはないが、漢文訓読調の評論的な文章に慣れない受験生には読みにくく感じられたかもしれない。設問はすべて選択式で、設問数は10問、マーク数も10。設問の難易度は、全体的には「普通」である。設問の内容としては、論理構成を問うものが3問(欠落した一文を「補うべき場所」を問うもの1問、問題文全体から設問の該当箇所を探すもの2問)。「解釈」を問うものが2問(1問は文法、もう1問は文脈から判断する)。空欄を補うものが3問(1問は助動詞の文法で、2問は文脈把握)。傍線部「多岐亡羊の失」を「著者はどのように感じているか」という問いは、「多岐亡羊」という故事成語を知らなくても、傍線部直後とのつながりから判断することができる。2018年度の文学史は、江戸時代の「文芸作品」を問うものであった。

2019年度入試対策・学習アドバイス

重要古語と文法の知識が基本

古文読解の基礎は、重要古語と文法の知識である。

重要古語の知識は、語句の解釈問題などを解くのに必須であるだけでなく、文章の内容把握の基礎となる。いくつもの意味を持つ多義語も多い。どういう文脈でどの意味になるのか、確認しながら覚えていこう。慣用句も忘れてはならない。

敬語については、本動詞・補助動詞の区別、尊敬語・謙譲語・丁寧語の区別と、その訳し方に習熟し、敬意の対象についても理解しておこう。

文法問題では助動詞について問われることが多いが、動詞や助詞についてもよく出題される。また、現代語訳の問題においても、そのポイントが文法にあることは多い。傍線部を品詞に分解することができ、そこにある重要古語と文法・語法に気づくことが、現代語訳や解釈の問題を解く鍵である。品詞分解に従って逐語訳できる力を養おう。

読解力を養おう

「重要古語と文法は覚えたけれど、本文の内容が読み取れない」という受験生が多い。その場面を頭に思い描き、敬語や接続助詞に留意して、主体や客体を補う練習を積むことが重要である。また、指示語の指し示す内容は、常に明らかにして読むようにしよう。それらの積み重ねによって、文章全体の内容が捉えられるようになる。

和歌が出題されることも多いが、恐れることはない。〈五/七/五/七/七〉に区切ったうえで、やはり品詞分解して逐語訳していけば、おおよその意味はわかるはずである。和歌は心情表現であるから、和歌が解釈できれば本文の内容も、よりはっきりと読み取れるようになる。

幅広い知識を身につけよう

和歌修辞が問われることもある。枕詞・序詞・掛詞・縁語・折句などについて一通り学習しておこう。和歌によく用いられる比喩表現についても知っておくとよい。

文学史については、その作品の成立時代とジャンル、作者を整理して覚えておく。有名な作品については、その背景や大まかな内容を把握しておくと、読解の助けにもなる。

また、古典常識についても、多くの文章を読み、その内容を深く理解する過程で身につけていこう。

問題演習をしよう

過去に出題された問題や、私立大学型の問題集などに取り組み、練習を積んでおこう。