河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

古文

2019年度入試の問題分析

出典は『平家物語』(鎌倉時代前期・軍記物語・作者は信濃前司行長かともいわれるが未詳)で、屋島の合戦で佐藤三郎兵衛嗣信が討ち死にする有名な場面からの出題であった。本文の字数は約550字。特に長くもなく、和歌もないので、読みやすかったと思われる。設問はすべて選択式で、設問数は9問、マーク数も9。設問の難易度は「普通」である。設問の内容としては、「解釈」を問うものが3問。重要語句や敬語・助動詞・助詞の意味に忠実に現代語訳できるかどうかが問われていた。敬語については、「候ふ」の敬語の種類を問う問題も出題された。空欄補充問題2問は、いずれも文脈に合う漢字二文字の熟語を選ぶものであった。また、傍線部の理由説明問題と内容合致の問題によって、本文全体の理解が問われていた。動詞や助動詞などの単純な文法問題は出題されなかったが、文学史も出題され、古文の知識と読解力をバランスよく問う問題であった。

2020年度入試対策・学習アドバイス

重要古語と文法の知識が基本

古文読解の基礎は、重要古語と文法の知識である。重要古語の知識は、語句の解釈問題などを解くのに必須であるだけでなく、文章の内容把握の基礎となる。まず重要古語を覚えることから始めよう。いくつもの意味を持つ多義語も多い。どういう文脈でどの意味になるのか、確認しながら覚えていこう。慣用句も忘れてはならない。敬語については、本動詞・補助動詞の区別、尊敬語・謙譲語・丁寧語の区別と、その訳し方に習熟し、敬意の対象についても理解しておこう。次に古典文法である。文法問題では助動詞について問われることが多いが、動詞や助詞についてもよく出題される。また、現代語訳の問題においても、そのポイントが文法にあることは多い。傍線部を品詞に分解することができ、そこにある重要古語と文法・語法に気づくことが、現代語訳や解釈の問題を解く鍵である。品詞分解に従って逐語訳できる力を養おう。

読解力を養おう

「重要古語と文法は覚えたけれど、本文の内容が読み取れない」という受験生が多い。その場面を頭に思い描き、敬語や接続助詞に留意して、主体や客体を補う練習を積むことが重要である。また、指示語の指し示す内容は、常に明らかにして読むようにしよう。それらの積み重ねによって、文章全体の内容が捉えられるようになる。和歌が出題されることも多いが、恐れることはない。〈五/七/五/七/七〉に区切ったうえで、やはり品詞分解して逐語訳していけば、おおよその意味はわかるはずである。和歌は心情表現であるから、和歌が解釈できれば本文の内容も、よりはっきりと読み取れるようになる。

幅広い知識を身につけよう

和歌修辞が問われることもある。枕詞・序詞・掛詞・縁語・折句などについて一通り学習しておこう。和歌によく用いられる比喩表現についても知っておくとよい。文学史については、その作品の成立時代とジャンル、作者を整理して覚えておく。有名な作品については、その背景や大まかな内容を把握しておくと、読解の助けにもなる。また、古典常識についても、多くの文章を読み、その内容を深く理解する過程で身につけていこう。

問題演習をしよう

過去に出題された問題や、私立大学型の問題集などに取り組み、練習を積んでおこう。