河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

古文

2017年度入試の問題分析

出典は、『伊勢物語』(平安時代前期・歌物語・作者未詳)。本文の字数は約230字と短いが、和歌二首を含み、その和歌によって比喩的に表現された心情を主眼とする文章である。設問はすべて選択式で、設問数は10問、マーク数も10。設問の難易度は、全体的には「普通」。設問の内容としては、「現代語訳」を問うものが1問。傍線部の「理由」を問うものが2問。和歌に関する問いが4問。和歌はいずれも桜を詠んだものだが、それが「暗示する意味」や「具体的意味」、そこから「うかがえる心情」などが問われた。「なむ」などの文法事項に注意して和歌を正確に解釈したうえで、文脈を考慮して和歌の趣旨を考える。また、問題文全体の内容把握についての問いが1問。文法問題も1問。係助詞「なむ」の結びを問う空欄問題で、選択肢には過去の助動詞「き」と「けり」の活用形が並んでいた。2017年度も文学史が出題された。

2018年度入試対策・学習アドバイス

重要古語と文法の知識が基本

古文読解の基礎は、重要古語と文法の知識である。

重要古語の知識は、解釈問題を解くのに必須であるのみならず、文章の内容把握の基礎となる。まず重要古語を覚えることから始めよう。慣用句も忘れてはならない。

敬語については、尊敬語・謙譲語・丁寧語の別と、その訳し方に習熟し、敬意の対象についても理解しておこう。

次に古典文法である。文法問題では助動詞について問われることが多いが、動詞や助詞についてもよく出題される。また、現代語訳の問題においても、そのポイントが文法にあることは多い。傍線部を品詞に分解することができ、そこにある重要古語と文法・語法に気づくことが、現代語訳や解釈の問題を解く鍵である。品詞分解に従って逐語訳できる力を養おう。

読解力を養おう

「重要古語と文法は覚えたけれど、本文の内容が読み取れない」という受験生が多い。その場面を頭に思い描き、敬語や接続助詞に留意して、主体や客体を補う練習を積むことが重要である。また、指示語の指し示す内容は、常に明らかにして読むようにしよう。それらの積み重ねによって、文章全体の内容が捉えられるようになるのである。 和歌にも慣れ親しみ、苦手意識を払拭しておこう。〈五/七/五/七/七〉に区切ったうえで、やはり品詞分解して逐語訳していけば、おおよその意味はわかるはずである。和歌は心情表現であるから、和歌が解釈できれば本文の内容も、よりはっきりと読み取れるようになる。

幅広い知識を身につけよう

和歌修辞が問われることもある。枕詞・序詞・掛詞・縁語・折句などについて一通り学習しておこう。和歌によく用いられる比喩表現についても知っておくとよい。

文学史については、その作品の成立時代とジャンル、作者を整理して覚えておく。有名な作品については、その背景や大まかな内容を把握しておくと、読解の助けにもなる。

また、古典常識についても、多くの文章を読み、その内容を深く理解する過程で身につけていこう。

問題演習をしよう

過去に出題された問題や、私立大学型の問題集などに取り組み、練習を積んでおこう。