河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

化学(医学部)

2019年度入試の問題分析

大問3題であるが、第3問は2つに分かれており、実質4題が出題された。第1問はCODの問題。実験の意図を理解し、設問の誘導に従えば解答できる問題である。第2問はシックハウス症候群に関連する化学物質の問題。いずれも教科書に記載のある物質で、構造式を決定することはできたであろう。後半の計算問題を素早く解くことが重要である。第3問の前半は浸透圧の問題。後半はデンプンに関する問題で、いずれも標準的な問題であった。2019年度の問題は、難問は見られず、標準的な問題が多かった。また、計算問題の占める割合が半数ほどであり、計算問題の出来具合で得点に差がついたと思われる。

2020年度入試対策・学習アドバイス

過去問は必ず解いておこう

2019年度の問題は、標準的な問題であったが、2018年度以前には、やや難しい問題も出題されている。過去の入試問題を解いておくことは非常に重要である。また、医学部入試特有の発展的な内容を含んだ問題も出題されているので、他大学の医学部の入試問題も参考にして、そのような問題にも対応できるようにしておこう。

化学平衡に関する問題が頻出

2019年度は出題されなかったが、理論化学の分野からは、化学平衡に関する問題の出題される割合が非常に高い。2018年度は電離平衡に関する問題が2題、2017年度は炭酸の電離平衡、ヨウ化水素の解離平衡、2016年度は四酸化二窒素の解離平衡、圧平衡定数が出題されている。化学平衡の分野は応用的な内容を含んでいて、これ以外にも緩衝液、加水分解定数、溶解度積などの分野からも今後は出題される可能性もある。さらに、反応速度、蒸気圧、気体の溶解度なども化学平衡と関連した分野であり、内容をしっかりと理解したうえで、計算問題を中心に問題演習をしておこう。

無機分野からの出題は少ない。

無機化学は単独の分野からの出題は少なく、理論分野と関連づけた形で出題されている。特に、化学平衡と関連した内容の、錯イオン生成の平衡定数、モール法などは、教科書にはあまり記載されていないが、医学部入試では頻出の分野であり、今後出題が予想されるので、しっかりと対策を立てておこう。無機工業の分野は、オストワルト法、アンモニアソーダ法など、各反応の工程を理解し、計算問題にも対応できるようにしておこう。

有機分野は高分子からの出題が多い

例年、有機化学の分野から出題される割合は高く、特に高分子化合物に関す問題が多く出題されている。脂肪族化合物、芳香族化合物の分野を確実にマスターするのは大前提であり、対策が遅れがちな高分子化合物の分野に早めに取り組むようにしよう。天然高分子は、代表的な糖類やアミノ酸の構造式や性質を理解したうえで、やや複雑な構造決定の問題もできるようにしておこう。合成高分子は、構造式や性質を問われるだけでなく、イオン交換樹脂による中和滴定、浸透圧の計算など、計算問題も出題されている。セルロースの誘導体や、ポリビニルアルコールのアセタール化、アミノ酸の電離平衡など、計算問題が出題される分野を重点的に学習しておこう。