河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

物理(医学部)

※前年度入試の学習アドバイスです。今年度情報は9月下旬より順次更新いたします。

2017年度入試の問題分析

物理基礎・物理からの出題である。2017年度は3題構成で、力学、波動、電磁気・原子の分野からの出題である。試験時間は2科目で120分(2018年度入試は100分)、難易度は3題とも標準程度である。問題Iはゴムひもにつながれた物体の運動に関する問題で、物体にはたらく力を正しく把握し、運動方程式、力学的エネルギー保存則などを用いる。問題IIは弦の振動に関する問題で、波長、速さ、振動数がどのようになっているのかを正しく捉えることが重要である。問題IIIの前半は荷電粒子の円運動、後半は原子模型についての問題である。点電荷のまわりの電場・電位や荷電粒子の持つエネルギー、および粒子の波動性や原子模型に関する正確な知識と考え方を要する。

いずれの問題も難問ではなく、物理の法則、考え方が身についていれば対応できる。ただ、問題文をよく読み、状況を正確に把握し立式しなければならず、単なる公式の丸暗記では対応は難しい。

2018年度入試対策・学習アドバイス

物理の学習といえば、公式を覚えて、ただ単にそれにあてはめて計算できるようにすることである思っているかもしれないが、それは大きな誤りである。それでもある程度は問題が解けるようになるであろうが、大学入試問題、難問ではなくてもやや典型からはずれたような問題には対応しきれない。どのような現象が起こっているのか、そのような状況でどんな物理法則が成り立つのか、それを数式で表すとどうなるのか、といったことが理解されていなければならない。ただ公式、解き方を覚えるのではなく、現象の理解、物理法則を基にした論理的なつながりを意識して学習を進めていこう。

自分の学力に合った難易度の問題集で演習をしていこう。はじめから実際の入試問題の難易度に合わせる必要はない。苦手な生徒は易しい問題から、それなりに自信のある生徒は標準的な問題で演習していけばよい。このときに、前述したことをしっかりと意識して問題を解くことが大切である。ただ式だけを書いて計算していくのではなく、状況や考える過程、「何々だから何々の法則が成り立つ」といったことを図や言葉で書いていくとよい。できなかった問題、間違えた問題は、どこでつまずいたのか確認しよう。状況が正しく読み取れていなかったのか、どんな法則が成り立つのかがわからなかったのか、状況にあった正しい立式ができなかったのか、計算間違いをしたのか。状況が正しく読み取れていない生徒は、問題文をよく読むことを心がけよう。思い込みで解いていないか、確認のためにも解答の途中でも問題文を読み返そう。法則の使い方でつまずいた生徒は、教科書などでその法則を確認しよう。式の形を確認するのではなく、その法則の成り立ち、どんな状況で成り立つのか、法則を用いた例、などを理解しよう。計算ミスの多い生徒は、常に気をつけるようにして練習しよう。この積み重ねで学力が身についてくる。

試験は時間が決まっている。その時間内に解かなければならない。入試が近づいてきたら、速く正確に状況を判断し、計算する練習もするようにしよう。

物理の学習は、理解度、考え方が自分のなかで消化され、しっかりと身について点数に現れてくる。すぐに結果は出ないかもしれない。早くから始め、続けることが大切である。最後まで諦めず、頑張ろう。