河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

化学(医学部)

2018年度入試の問題分析

大問3題が出題された。2017年度以前は大問4題が出題されており、全体の設問数も減少した。問題の難易度に大きな変化はない。第1問のボルンハーバーサイクルの問題、第2問のフェノールフタレインの変色域を求める問題は、やや発展的な内容で、類題を解いたことがあるかどうかで、得点に差がついたと思われる。これら以外に出題された周期表と元素の性質、二段階中和、糖とアミノ酸に関する問題は、いずれも標準的な問題であり、確実に正解しなければならない問題であった。有機化学からの出題は、2018年度は大問3題中1題であるが、設問数で見ると、22問中9問である。また、2016・2017年度は大問4題中2題が有機化学からの出題であり、有機化学の分野からの出題の割合が高い。

2019年度入試対策・学習アドバイス

化学平衡に関する問題が頻出

理論化学の分野からは、化学平衡に関する問題の出題される割合が非常に高い。2018年度は電離平衡に関する問題が2題、2017年度は炭酸の電離平衡、ヨウ化水素の解離平衡、2016年度は四酸化二窒素の解離平衡、圧平衡定数が出題されている。化学平衡の分野は応用的な内容を含んでいて、緩衝液、加水分解定数、溶解度積など、教科書で発展事項として扱われている分野からも出題される可能性がある。さらに、反応速度、蒸気圧、気体の溶解度の計算なども化学平衡と関連した分野であり、内容をしっかりと理解したうえで、問題演習をしておこう。

無機分野からの出題は少ない

無機化学は単独の分野からの出題は少なく、理論分野と関連づけた形で出題されている。特に、化学平衡と関連した内容の、錯イオン生成の平衡定数、モール法などは、教科書にはあまり記載されていないが、医学部入試では頻出の分野であり、今後出題が予想されるので、しっかりと対策を立てておこう。無機工業の分野は、オストワルト法、アンモニアソーダ法など、各反応の工程を理解し、計算問題にも対応できるようにしておこう。

有機分野は高分子からの出題が多い

前述のように、有機化学の分野から出題される割合は高く、特に高分子化合物に関する問題が多く出題されている。脂肪族化合物、芳香族化合物の分野を確実にマスターするのは大前提であり、対策が遅れがちな高分子化合物の分野に早めに取り組むようにしよう。天然高分子は、代表的な糖類やアミノ酸の構造式や性質を理解したうえで、やや複雑な構造決定の問題もできるようにしておこう。合成高分子は、構造式や性質を問われるだけでなく、イオン交換樹脂による中和滴定、浸透圧の計算など、計算問題も出題されている。セルロースの誘導体や、ポリビニルアルコールのアセタール化、アミノ酸の電離平衡など、計算問題が出題される分野を重点的に学習しておこう。

過去問は必ず解いておこう

例年、出題傾向に大きな変化は見られないので、過去の入試問題を解いておくことは非常に重要である。また、医学部入試特有の発展的な内容を含んだ問題も出題されるので、他大学の医学部の入試問題も参考にして、やや難しめの問題にも対応できるようにしておこう。