河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

現代文

※前年度入試の学習アドバイスです。今年度情報は9月下旬より順次更新いたします。

2017年度入試の問題分析

現代文は、評論と小説がそれぞれ1題ずつ出題されていた。

評論は、木村敏の時間論が出題されていた。文章量は標準的であるが、抽象的な内容で、受験生にとってはやや難解な文章だったと思われる。空欄補充の設問が多く出題されていたが、よくあるような接続語や熟語を補うものではなく、すべて文章を補うものであった。こうした問題では、空欄前後の文脈を丁寧に整理するとともに、文章全体の趣旨を踏まえて、一つひとつ確実に答えを決めていくことが大切である。漢字は記述式で出題されていた。訓読みの漢字では、送り仮名を正しく答えることも求められていた。傍線部や文章全体の内容を問う問題は、それほど難しくはなく、選択肢もあまり紛らわしいものはなかった。

小説は夏目漱石の「倫敦塔」が出題されていた。明治期の文章で、難解な語句もあり、文章量もかなり多かった。こうした文章を読み慣れていない受験生は読解に手間取ったかもしれない。文章中から適切な内容を抜き出す問題が3問出題されていたが、文章量が多いので、解答に時間がかかった受験生も多かったのではないかと思う。

傍線部の意味を問う問題は、文脈の理解とともに、語句の意味が正しく理解されていることが求められるものだった。内容に関わる問題は、文章が正しく理解されていればそれほど紛らわしいものではなかった。漢字は読みを答える問題が出題されていた。

2018年度入試対策・学習アドバイス

評論・小説の読解力を身につけよう

評論では、哲学論や芸術論など、抽象的でやや難解な文章にも慣れておく必要がある。私立大学型の問題集を用いて、様々なジャンルの問題を解き、確実な読解力を身につけていくことが大切である。文章を補う空欄問題が多く出題されていたが、こうした問題は空欄前後の文章の展開をしっかり整理していくとともに、本文全体の趣旨を正しく理解して取り組む必要がある。やみくもに選択肢をあてはめるのではなく、空欄に入る内容を自分なりに考えたうえで、選択肢を検討するようにしたい。小説では、明治・大正期のやや古い文章にも慣れておくようにしたい。森鴎外や夏目漱石などの作品は、教科書にも収録されていると思うので、そうした小説を読み直したりして、難解な語句や表現などにも慣れておくとよいだろう。文章中から適語を抜き出す問題では、まず解答の内容を自分なりに考え、それに関わることが文章のどのあたりに書かれていたかの目星をつけて解答を絞り込むようにしたい。そうした方向性を定めないまま、ひたすら文章を読み返したりしていると、たとえ正解箇所にたどりつけたとしても時間がかかってしまうことが多いので注意してほしい。

漢字・語句の知識を身につけよう

漢字はそれほど難しいものは出題されていないが、記述式での解答となるので、楷書で正しく書けるようにしておきたい。訓読み漢字では、送り仮名についても確実に覚えておきたい。漢字の読みの問題を含めて、漢字問題集などでしっかり練習しておこう。漢字練習に際しては、熟語などの意味用法も合わせて確認することも心がけてほしい。明治期の文章などでは、現在ではあまり用いられない語句も出てくるので、普段の学習においてもこまめに辞書を引く習慣を身につけておきたい。