河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

政治・経済

2018年度入試の問題分析

大問数は、2017年度と同じく大問4題で、この構成は、ここ数年変更がない。全体の小問数については、2017年度が小問数43問で、ひとつの小問のなかでの空欄数を入れて実際に解答するべき設問数が52問だったのに対して、2018年度は、小問数が49問、実際に解答すべき設問数が53問で、問題数自体は微増している。解答は、すべてマークシート方式である。大問1は、政治制度、特に、日本国憲法に基づく統治機構について問う問題で構成され、また、統治の仕組みに関連させつつ、社会保障や消費者問題についての知識をも問う問題を組み込んでいる。大問2は、日本国憲法における人権について問う問題で構成され、人権をめぐる争いについての最高裁の判断や、日本に長期滞在する外国人の国籍別構成、差別解消に向けた法制度についても出題している。大問3は、国民所得についての知識を問う問題を中心に出題し、景気循環や外部性などについて問う問題も加えられており、また、時事的な事項とGDPの変化を関連づけて問う問題も出題している。大問4は、経済主体や生産の三要素など経済についての基礎的知識をはじめ、金融や会社制度などの知識を問う問題となっている。

2019年度入試対策・学習アドバイス

教科書レベルの基礎知識を徹底理解しよう

全体を通じて、教科書レベルの基礎知識の理解を試す問題となっている。まず、教科書に記述されている内容の理解を目標にしてほしい。次に述べるような時事的な視点での理解も、制度や仕組みについての基礎的な理解が土台となるので、教科書や用語集などを活用して、出発点となる基礎知識を確実なものにしてほしい。

時事的な視点で制度・仕組みを理解しよう

政治分野も経済分野も、基礎的な制度や仕組みの理解を問う問題に加えて、近年の改革の動向や状況の変化などの時事的な視点を解答者が備えているかを試す問題も多く出題されている。そのために、制度や仕組みを一問一答的に暗記するのではなく、制度や仕組みが具体的にどのような問題点を抱え、その解決のためにどのように改革が実施されてきたのか、といった時事的な視点、さらには歴史的な視点で制度や仕組みを理解するよう努める必要がある。政治分野で問われている最高裁判所の判断を問う問題なども、ある意味、人権をめぐる時事問題として捉えることも可能であり、日本経済の動向のなか国民所得について問う問題は、まさに時事問題であるといえよう。最新の資料集や用語集を活用して、制度や仕組みが抱えている問題点や改革の動向に注意しながら、理解を広げていく必要がある。

過去問への積極的な挑戦を

入試での得点力を高めるもっとも有効な方法は、実際の入試問題を自分自身の力で解いて、自分の理解度を自分で試していくことである。近年の神奈川大学の過去問だけではなく、出題形式が重なるセンター試験を含め、他大学の2017年度の過去問にも挑戦してほしい。過去問を解いて、もし正答できなければ、教科書などを総動員して、なぜ正答できなかったのかを点検し、正確な知識をそこで確認する。また、たとえ正答できても、正答の根拠となった理解が正しかったのか、正答を導き出した思考の過程は適切だったのか、といった点を改めて確認し、理解を万全なものにしてほしい。