河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

政治・経済

2017年度入試の問題分析

2016年度と同じで大問4題で、この構成はここ数年変更がない。しかしながら、2016年度は小問数が47問で、実際に解答すべき設問数が54問だったのに対して、2017年度は小問数が43問、空欄補充問題と小問に含まれる複数の設問を合計した実際に解答しなければならない設問が52問と、全体の問題数自体は微減している。解答は、すべてマークシート方式である。大問1は、福祉国家を主題にしたリード文を掲げ、社会保障問題を中心に、日本国憲法での財産権や日本の選挙制度などを問う問題で構成されている。大問2は、地方自治が主題のリード文を掲げ、西洋の政治史や政治制度を含めて地方自治について問う問題で構成されている。大問3は、大平正芳内閣以降の経済政策の経緯に加え、近年の世界経済の流れを述べたリード文を掲げ、近年の動向を含む国際経済の問題に加え、財政分野の知識を問う問題で構成されている。大問4は、日本の企業の状況についてのリード文を掲げ、中小企業問題などの会社分野と労働問題分野の問題で構成されている。

2018年度入試対策・学習アドバイス

教科書レベルの基礎知識を徹底理解しよう

全体を通じて、教科書レベルでの基礎知識の理解を試す問題となっている。まずは、教科書に記述されている内容を一通り理解し、基礎的な知識の習得を目標にしてほしい。さらに、近年の制度改革を含む時事的な知識を問う問題が出題されている点にも留意し、現在の政治制度や経済の仕組みがどのような過程を経て成立してきたのか、といった視点で知識を整理しておきたい。それもまた、高得点を獲得する有効な思考法のひとつである。

苦手な分野を克服しよう

政治・経済は、政治と経済、二つの分野で成り立っている。どちらか一方を苦手としてしまえば、成績も偏り、高得点も望めない。どちらの分野でも、出発点となる基礎的な項目の理解を確実にして、そこからほかの項目へと発展していく、という方法で学習を進めてほしい。例えば、政治分野は、基本的人権の保障と日本国の統治機構、経済分野は、市場機構と財政・金融を、まずは確実に理解し、そこからほかの項目へとつなげていき、最終的には、政治史と経済史の流れを押さえたうえで、政治の世界と経済の世界の自分なりのイメージをつくりあげていくのが、有効な学習法である。また、時事的知識を問う問題も出題されているので、日頃からメディアのニュースに興味・関心を持つと同時に、『日経キーワード2017-2018』などを活用して、「いま」から過去を振り返るかたちで知識の幅を広げてほしい。

過去問への積極的な挑戦を

入試での得点力を高めるもっとも有効な方法は、実際の入試問題を自分自身の力で解いて、自分の理解度を自分で試していくことである。神奈川大学の過去問だけではなく、出題形式が重なるセンター試験を含めた他大学の過去問にも挑戦してほしい。過去問を解いて、もし正答できなければ、教科書・参考書・用語集を総動員して、なぜ正答できなかったのかを検証し、正確な知識をそこで確認する。また、たとえ正答できても、正答の根拠となった理解が正しかったのか、正答を導き出した思考の過程は適切だったのか、といった点を改めて確認し、理解を万全なものにしてほしい。