河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

物理

2018年度入試の問題分析

一般入学試験の問題(代表的問題からなる抜粋版)を分析する。第1問はマークシート方式の小問集合10問。力学3問、電磁気3問、熱2問、波動2問と、各分野からまんべんなく出題されている。いずれも基本知識を問うコンパクトな文章の問題であるが、図は与えられていないので自分で描きながら計算を進める必要がある。第2問は力学の典型問題で、糸につけた小球の円運動がテーマ。力学的エネルギー保存の法則、運動方程式などを用いて解ける。くぎが糸から受ける力について問う目新しい設問もある。難易度はやや易で、高得点が期待できる。第3問は、コンデンサーと抵抗を含む直流回路の問題で、難易度は標準。スイッチが4個あり、切り替えが何回もあるので順を追って回路図を描いていく必要がある。キルヒホッフの法則や電荷保存の法則で解ける典型問題である。なお、2つのコンデンサーの電荷が異なっていると、直列合成の公式が使えなくなるので注意しよう。

なお第2問と第3問は記述式で、答えに至るまでの式や説明も要求されている。

2019年度入試対策・学習アドバイス

よく書いて理解しよう

特に第1問の小問集合は、短い文章のなかに様々な物理量が登場している。誘導はないので、これらの量を組み合わせて答えを出すには、どういう法則・公式を使えばいいのか、自力で思い浮かぶようにしなければならない。単に公式の丸暗記だけでは解けない。普段の勉強の際、図や式を丁寧に書きながら論理を組み立てていく習慣を身につけよう。力学であれば、物体の運動の様子を想像しながら、力のベクトル図などを描き、考察を進めていけばよい。気体の状態変化などもP-V図を描きながら計算を進めると解き易くなるだろう。物理用語や公式・法則を図も入れてカードにまとめておくのもよい。小問集合の練習により、各分野の様々な基本が効率良く復習できるので、過去問を数多く解いておきたい。基礎固めと応用力の鍛錬が同時にできて一石二鳥だ。

力学の基本を再確認しよう

円運動、単振動や放物運動といった頻出の運動様式の特徴を整理しておこう。特に、円運動や単振動の加速度の公式などはしっかり暗記しよう。また、これらの運動で成り立つ力学的エネルギー保存の法則の立て方も復習しておこう。さらに、運動量の保存が使えるケースを頭に入れておこう。物体系に対して外力が作用しなければ、系の物体の運動量の和が一定に保たれる。2物体の衝突・分裂や、滑らかな面上の台と物体の相対運動、あるいは滑らかな面上のばねでつながれた2球の運動などが代表例である。

回路素子の特徴を整理しておこう

頻出の回路の解法を固めておきたい。そのためには、回路素子の特徴を理解することが必要である。とりわけ次のような事項に留意したい。抵抗の電流は高電位側から低電位側に流れるが、ほかの回路素子ではそうとは限らない。また、コンデンサーの電荷やコイルの電流は連続的に変化するので、スイッチを切り替える直前と直後でそれぞれ同じ値となる。直流回路の場合、定常状態では、コンデンサーの電荷は一定となるから、コンデンサーの電流は0である。また、コイルの電流は一定となるから、コイルの起電力は0である。回路素子の働きが理解できたら、次に必要なキルヒホッフの法則を立てるのは難しくないだろう。