河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

日本史

2017年度入試の問題分析

例年どおり、問題数は大問4題、小問数は50問であった。解答は全問マークシート方式である。マークシート方式といっても、正誤問題を中心に、図版を利用した問題や史料の読み取り問題など工夫が付されており、一問一答的な暗記では対応できない、理解力を試す問題が多くを占める。特に2017年度は、11問出題された年代配列問題の増加が目立った。また、2016年度に続き、史料問題も見られた。時代別では基本的に、大問[1]が古代・中世(大問によっては近世まで)、大問[2]が近世、大問[3]・[4]が近代(現代を含む時もある)というように、移行期も含めて幅広く出題されている。なかでも近現代史の問題が全体の半分を占めている。分野別では、政治史・外交史・社会経済史・文化史がバランスよく出題されている。難問・奇問はほとんど見られず、難易度は、教科書レベルの基本事項を中心に問う標準的な問題で、教科書や史料集から得た知識を基に十分に解答可能な問題である。言い換えるならば、努力した者が確実に高得点を取れる、つまり努力が報われる問題で非常に好感の持てる入試問題といえる。

2018年度入試対策・学習アドバイス

正誤問題に強くなろう

正誤問題が必ず出題され、およそ半分を占める。正誤問題は、一問一答的な付け焼き刃ではなかなか正答できない。正確な理解が必要なのはもちろんのことだが、消去法を利用して選択肢を絞るなどの「解法」、そして「慣れ」も必要となる。過去問の研究はいうまでもないが、センター試験と非常に出題形式が似ているので、センター試験の過去問などを利用して練習を積んでおくことも効果的な対策となるだろう。

史料問題に慣れよう

史料問題は、教科書や史料集にも載っていない未見史料も出題されているが、教科書に載っている基本史料の出題も少なくない。普段から教科書に載っている史料はもちろんのこと、余裕があれば史料集を併用して学習を進めたい。具体的には、史料を音読する習慣を身につけること。

文化史や現代史にも十分な対策を

2017年度は現代史の出題は見られなかったが、今後出題される可能性は十分ある。文化史や現代史は、対策が遅れがちな分野と時代である。文化史は、図版を含めて早めの対策を行うこと。

教科書中心に基本事項を押さえよう

近現代の問題が全体の半分を占めており、その出来が合否の重要なポイントとなるので、近現代を重視した学習を心がけなければならない。分野別では、作問者の一貫した意図が感じられ、外交史は東アジアのなかの日本という視点で日中関係史・日朝関係史が多く出題され、地域史では北海道史・琉球史が繰り返し出題されている。また、頻出の文化史は、民衆の生活や意識について考えさせる問題に重点が置かれている。こうした観点からも過去問を解くことは非常に大切である。また、教科書の記述とは一味違った斬新な切り口の問題文が取り上げられ、正誤問題の選択肢も一見戸惑いを覚えるようなものがあるが、教科書レベルの内容がきちんと理解できていれば正答できるものとなっている。したがって、教科書をよく読み歴史の大きな流れを的確につかみ、曖昧な歴史用語などは用語集を併用しながら正確に理解しておくことが合格への近道となる。