河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

物理

2017年度入試の問題分析

一般A日程入試について分析する。マーク式の大問3題で、設問数は全部で約20問からなる。第1問は小問集合で、力学1問、電気1問、波動2問からなり、数値計算の設問も多い。難易度は、易〜標準で素直な良問が揃っている。第2問は力学の総合問題で、ばねによる単振動、斜面上の物体の運動、放物運動が出題された。シンプルな設定であり、力のつりあい、運動方程式、等加速度直線運動、力学的エネルギーの保存などの基本がわかっていれば難しくなく、難易度は標準である。第3問の電磁気は、電流が磁場から受ける力、非直線抵抗を含む直流回路、磁場中を運動する導体棒の電磁誘導などが出題された。直線電流による磁場、電流が磁場から受ける力、オームの法則、キルヒホッフの法則、磁場中の導体棒の起電力、力のつりあいなどが正確に理解できていればスムーズに解ける。受験生には見慣れた基本問題で、難易度は標準。

2018年度入試対策・学習アドバイス

力学の典型問題をマスターしよう

まず、力学の基礎を固めること。教科書や、問題集の標準例題を使って、徹底的に頻出問題を繰り返そう。公式の暗記も必要だが、それが使える条件をいつも念頭に置くこと。例えば、力学的エネルギーの保存則は頻繁に使う関係式だが、注意点として、摩擦熱が発生する場合や、非弾性衝突などでは、力学的エネルギーが減少するということがある。運動量の保存は、系に外力が作用していなければ成立する。また、運動の様子を正確に見極めながら、考察を進めること。例えば、往復運動が何でも単振動と思ってしまう誤解が往々にして見受けられる。物体に働く力のパターンをよく見て、運動の種類が何であるかを見定めよう。単振動の振る舞いを捉えるコツは、中心と端の位置を正しく求めることである。力のつりあいの位置が中心になり、速さが0になる位置が端となる。また、単振動で力学的エネルギー保存則の式を立てる場合、位置エネルギーの取り方に二通りあることに注意しよう。ひとつは、合力による位置エネルギーを用いる場合。もうひとつは、重力や弾性力などの位置エネルギーを個別に考える場合である。混同しないように、正確に理解しておきたい。

電磁気分野も伸ばそう

電場、磁場、回路などは力学に比べると、イメージしにくいこともあり、苦手な受験生が多い。

まず基本として、電荷が電場をつくり、電流が磁場をつくることをよく理解しよう。教科書の問いのような簡単な計算問題から始めてもよい。数値計算や作図を重ねると、だんだん電場や磁場のイメージができてくる。次に、電荷が電場・磁場から受ける力や、電流が磁場から受ける力の法則をよく理解して、力のつりあいや運動方程式を立てる。ここでも力学の知識が欠かせない。また、電磁場のイメージがつかめれば、回路も非常に理解しやすくなる。いろいろな項目が互いにつながっているので、繰り返し勉強を重ねていくことが大切だ。知識の整理のために、クーロンの法則、キルヒホッフの法則、ファラデーの法則などの基本知識を、図とあわせてカードなどにまとめておくのもよいだろう。特にこの分野では、学習過程の途中でわからないところがあると、つまずいて先に進みにくくなる。あまり先を急ぎ過ぎないようにして、基礎の段階の学習時間を惜しまないようにしよう。