河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

化学

※前年度入試の学習アドバイスです。今年度情報は9月下旬より順次更新いたします。

2017年度入試の問題分析

B方式前期日程は大問5題で、すべて記述式である。問題内容と難易度は、[1]遷移元素の電子配置と金属イオンの反応。前者は手薄な受験生が多かっただろう。[2]飽和蒸気圧に関する計算問題。典型問題であるが、不得手な受験生が多いので、差がついたと思われる。[3]溶解度積に関する典型的な計算問題。[4]コロイドに関する知識問題。基本的だが、手薄な受験生が少なくなかったであろう。[5]エステルの構造決定問題。この大学としては標準的である。2016年度よりも典型問題の比率が高まったので、平均点は上がり、かつ差がついたのではないかと思われる。

B方式後期日程は大問7題で、すべて記述式であった。[1]炭素、リン、硫黄、酸素の同素体に関する基本問題。[2]浸透圧に関する計算問題。不得手な受験生が多いので、差がついたと思われる。[3]電気分解に関する基本問題。計算の設問もない。[4]両性元素の知識と水上置換の計算問題。基本的である。[5]ハロゲンに関する知識およびモール法の計算問題。基本的である。[6]芳香族エステルの構造決定問題。明治薬科大学としては基本的である。[7]油脂の構造決定。酸化開裂を用いて二重結合の位置も決めるので、難しくはないが、差がついたと思われる。全体としては、例年レベルであった。

C方式は大問7 題で、すべて記述式である。[1]元素の周期律と反応性に関する基本問題。[2]浸透圧に関するやや煩雑な計算問題。[3]銅の化合物に関する知識と硫酸銅(II)の溶解度に関する計算問題。[4]金属イオンの反応と検出に関する基本的な知識問題。[5]酸塩基の定義とpH計算に関する基本問題。[6]C4H10Oの異性体と構造決定。基本レベルである。[7]糖類に関する基本知識と多糖に関する計算問題で、後者は思考力を要する問題であった。全体としては、以前より平易になった2016年度よりもさらに平易になり、平均点は上がったのではないか。

2018年度入試対策・学習アドバイス

理論分野への対策

いずれの日程も、例年は2017年度よりも思考力を要する問題が出されている。(1)中和および酸化還元滴定が頻出なので、出題パターンを網羅的にマスターしておきたい。(2)原子の構造から分子間力までの知識問題で大問になることが多いので、ここは取りこぼさないようにしておこう。

無機分野への対策

いずれの試験も、必ず1題は出題があるし、理論問題に絡めて問われることも多いので、手薄にならないように。気体の製法性質と、金属イオンの反応や分離が中心であるが、元素別各論もおろそかにしないように。また、重要な化学反応式は書けるようにしておきたい。それには手を動かして書くことである。

有機分野への対策

合成経路や製法・検出の知識問題も出るが、いずれの試験も、脂肪族芳香族エステルの構造決定が出ることが多い。難問ではないが、ジエステルやアミドを中心に、少し変わった物質で思考力を問うことが多く、明治薬科大学独特の問題である。逆にいえばパターン化されてもいるので、過去問にできるだけ多くあたっておきたい。また、異性体を書き上げることが構造決定の学力の土台なので、よく練習しておこう。天然有機物は、C方式は頻出だがB方式は出ない年度が多い。しかし、手薄にはしないように基本知識は押さえておこう。