河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

物理

2018年度入試の問題分析

全学統一入試の第1、2問は力学3問、電気2問、熱2問、波動1問からなる小問集合である。ほとんどが数値を解答群から選ぶ設問で、難易度はやや易。第3問は、力学分野で円錐振り子の問題であり、前半は頻出の基本設問、後半は見かけの重力を考慮する応用問題である。鍵となる見かけの重力について親切な誘導があり、難易度は標準。一般入試(前期試験)の第1、2問は力学3問、電磁気2問、波動1~2問、熱1問、原子1問(2月3日実施のみ)からなる小問集合である。数値を解答群から選ぶ設問が多く、難易度はやや易。各分野からまんべんなく出題されている。また、図が与えられていない設問も少なくないので、自分の手で図を構成する必要がある。第5問は力学の典型問題で難易度はやや易~標準。斜面上の物体の運動と衝突、ばねを挟んだ2物体の運動、衝突と放物運動といった頻出テーマの出題であった。特に、2月3、4日実施のものはレベルが高く、十分な計算力も必要だ。なお、解答形式はすべてマークシート方式である。

2019年度入試対策・学習アドバイス

力学の攻略法

力学の比重が大きいので、高得点が望まれる。三本柱といえる運動方程式、力学的エネルギー保存の法則、運動量保存の法則を徹底的にマスターしよう。運動方程式を立てるときは、着目物体に働く重力と、直接触れて働く力(抗力など)を過不足なく描くこと。また、観測者が地面でなく、動く台の上にいる場合は慣性力を加えるのを忘れないようにしよう。力学的エネルギーについては保存しない典型例を知っておこう。摩擦力の仕事や非弾性衝突がある場合は、熱の発生などにより力学的エネルギーが減少する。また、運動量保存を使う典型例は、衝突・分裂であるが、これに加えて相互運動にも習熟しておきたい。摩擦のない床上を動く台車と小物体の相互運動、ばねを挟んだ2球の運動などがある。いずれも、物体系に外部から力が働かなければ全運動量が一定に保たれるという条件を満たしている。

電磁気の克服法

力学に次いで重要度の高い電磁気を苦手とする受験生が少なくない。コンデンサーを例に取れば、関係する物理量として、電荷、電場、電位、静電エネルギー、電流、消費電力などとたくさん登場する。まず、これらの用語の定義を教科書などでしっかり再確認しておこう。次に、これらの量の間の関係を理解すること。例えば、コンデンサーの電流はコンデンサーの電荷の変化率に等しい。電流の定義がしっかり把握できていれば、この関係は難しくないし、コンデンサーの過渡現象もよくわかってくるだろう。帯電していないコンデンサーを充電する場合、スイッチを閉じた直後の電荷が0であるが、時間の経過とともに電荷が増えると電流が減少し、十分時間が経過すれば充電が完了して電流は止まる。コンデンサーは格好の材料であり、この学習を通じて、電場や電位などのイメージをつかんでいくとよい。コンデンサーがとっつきにくいなら、まず、抵抗だけの回路をマスターしてからコンデンサーに進んでもよい。ここでキルヒホッフの法則に習熟しよう。これも電荷、電流、電位の理解が不可欠である。回路図や式を繰り返し描いて身につけていこう。量をこなせば、よくできるようになってきて、やがて質に転化するものだ。