河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

物理

2019年度入試の問題分析

一般入試(前期)の第1、2問は小問集合で、主に力学、電磁気、波動、熱の各分野から出題されている。特に力学と電磁気の比重が高い。原子分野からも光電効果の出題があった。数値を解答群から選ぶ設問が多く、難易度はやや易。また、図が与えられていない設問も少なくないので、自分で図を描く必要がある。第7問は力学の典型問題で、斜面上の物体の運動、衝突と円運動、可動板上の物体の運動をテーマとした出題であった。いずれも教科書の例題レベルの頻出問題で難易度はやや易~標準。第7問は、答えだけでなく求め方の記入も必要だ。一般入試(中期)は第1、2問が小問集合で力学、電磁気、波動、熱、原子の各分野から出題されているが、特に力学の占める割合が大きい。原子分野はブラッグ反射が出題された。いずれも基本的な理解を試すシンプルな設問だ。第5問は力学から、斜面上の物体の運動、衝突、放物運動などを組み合わせた総合問題で、難易度は標準であるが、力学のいろいろな知識と応用力が試されるので、曖昧な理解では完答できない。一般入試(後期)は、第1問が力学から斜方投射と衝突、第2問が熱分野から気体の状態変化、第3問は波動分野のドップラー効果、第4問が電磁気からコンデンサーが出題された。いずれも頻出問題で、解きやすく難易度は易~標準。基本公式が使いこなせれば高得点が期待できる。

2020年度入試対策・学習アドバイス

力学の攻略法

力学の比重が大きいので、この分野は高得点がほしい。三本柱といえる運動方程式、力学的エネルギー保存の法則、運動量保存の法則を確実にマスターしよう。運動方程式を立てるときは、着目物体にはたらく重力と、直接触れてはたらく力(抗力など)を過不足なく描くこと。力学的エネルギーについては保存しない典型例を知っておこう。摩擦力の仕事や非弾性衝突がある場合は、熱の発生などにより力学的エネルギーが減少する。また、運動量保存を使う典型例は、衝突・分裂であるが、これに加えて相互運動にも習熟しておきたい。摩擦のない床上を動く台車と小物体の相互運動、ばねをはさんだ2球の運動などがある。いずれも、物体系に外部から力が働かなければ全運動量が一定になるという条件を満たしている。

電磁気の克服法

力学に次いで重要度の高い電磁気も得点源としたい。コンデンサーを例にとれば、関係する物理量として、電荷、電場、電位、静電エネルギー、電流、消費電力など、たくさん登場する。まず、これらの用語の定義を教科書などでしっかり覚えよう。次に、これらの量の間の関係を理解すること。例えば、コンデンサーの電流はコンデンサーの電荷の変化率に等しい。電流の定義がしっかり把握できていれば、この関係は難しくないし、コンデンサーの過渡現象もよくわかってくるだろう。帯電していないコンデンサーを充電する場合、スイッチを閉じた直後の電荷が0であるが、時間の経過とともに電荷が増えると電流が減少し、十分時間が経過すれば充電が完了して電流は止まる。格好の材料であるコンデンサーの学習を通じて、電場や電位などのイメージをつかんでおくとよい。抵抗の回路を勉強してからコンデンサーに取り組んでもよい。回路ではキルヒホッフの法則が不可欠だが、回路図や式を繰り返し書いて量をこなせば、やがて質に転化する。