河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

物理

※前年度入試の学習アドバイスです。今年度情報は9月下旬より順次更新いたします。

2017年度入試の問題分析

前期試験の物理第1、2問はマーク式の小問集合であり、数値計算の問題も多い。難易度は、やや易~標準である。内訳は、力学3~4問、電磁気2~3問、熱分野1~2問、波動0~1問の計8問であった。2016年度出題された原子分野(半減期、物質波)は、2017年度はなかった。前期一般試験第5問の力学の総合問題は、答えだけでなく、求め方も記述する。力学の頻出典型問題であり、難易度は、やや易~標準。統一試験第5問の力学はマーク式で、粗い板上の物体の運動を考察する。運動方程式、等加速度直線運動、力学的エネルギーの保存、摩擦力の仕事などの知識を用いる。設問で要求された関係式を導くために必要な式を見出す応用力が必要で、難易度はやや難。電気分野では、いずれの日程でも抵抗の直流回路が出題されたが、コンデンサーやコイルは含まれていない。

2018年度入試対策・学習アドバイス

基礎問題で知識を定着させよう

まず物理の基礎知識を身につけることから始めよう。法則や公式の暗記は必要だが、ただ公式を表面的に覚えているだけでは基本問題であったとしても、正解には至らないものである。小問集合は文章も短く簡潔な問題であるため、詳しい誘導があまりない。そのため公式の丸暗記では答えが出せない。とはいっても、どれも素直な良問だから基礎知識をマスターしておけば高得点が期待できる。定評のあるテキストを使って、基礎知識の習得と精選された例題の反復練習に励もう。このとき自分で図を描いたり式を計算したりしながら理解することが肝要だ。特に小問集合では、問題に図が与えられていないこともよくあり、自分で的確な図が描けるように練習しよう。力学であれば、物体に働く力が過不足なく描けることがポイントだ。電気回路なら、電流・電気量・電圧などの物理量をはっきり区別して記入していくこと。気体の状態変化であれば、圧力-体積のグラフを多用するので、慣れておきたい。このとき、定圧変化・定積変化は線分であり、等温変化が双曲線となる。また、断熱変化は等温線を横切る曲線となる。これになじんでおけば、解きやすくなる。

過去問で応用力を磨こう

基礎が固まったら、過去問にチャレンジしよう。特に、出題の比重が大きい力学の良質な問題をよく練習しておきたい。土台である運動方程式、エネルギー・運動量保存の式が正しく書けるようにしておこう。各例題で用いた法則・公式を記入しておくのも有効だ。また、エネルギーの概念は力学、熱分野、電磁気すべての分野で鍵となるから、繰り返し練習してイメージがつかめるようにしたい。例としてコンデンサーの充電過程を挙げれば、電池・抵抗・コンデンサーの間でエネルギーがどう移り変わっていくのかをよく腑に落としておくことだ。また、熱力学第1法則に登場する気体の仕事を表すのに二通りあることにも注意したい。気体が外部にする仕事、および気体が外部からされる仕事である。仕事はひとつだが、表し方が2つあるということを知っておきたい。さらに今一度、力学の出発点の運動方程式を再確認しよう。得られた加速度の式から、物体の運動の種類を正確に捉えることだ。例えば、加速度が一定でないのに等加速度直線運動の式を使ってしまう誤りがときどき見受けられる。公式には、使える条件があるのを忘れないこと。