河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

日本史

2017年度入試の問題分析

文学部は大問5題、人間社会学部は大問4問。文学部は小問56問で、うち記述式が38問、人間社会学部は小問39問で記述式が19問。文学部は記述式を、人間社会学部は選択式を中心に出題する傾向は例年どおりであるが、両学部とも2016年度よりも問題数が減少したにもかかわらず、記述式が文学部は5問、人間社会学部は1問増加した。2017年度は、文学部の問題Iは院政、問題IIは嘉吉の土一揆、問題IIIは耶蘇会士日本通信と高橋景保の意見書、問題IVは廃藩置県と自由党解党、問題Vは二十一箇条を批判する「ニューヨークタイムズ」で、例年どおりすべて史料問題である。人間社会学部は、問題Iは好太王碑文と遣隋使、問題IIは楽市令と株仲間解散、問題IIIは義務教育の就学率と『青鞜』、問題IVは朝ドラのヒロインの歴史で、大問IVを除けばすべて史料問題である。日本女子大学は、史料問題を中心に問題が構成される形式は例年どおりである。とにかく未見史料が半分を占めるため、史料問題の訓練を相当積んでいないと難しい。しかし、逆に考えれば史料まで手をつけられない受験生が多いので差をつけるチャンスである。また、人間社会学部に「義務教育の就学率」のグラフ問題が出題された。史料問題同様に、グラフの読解も少し注意を払いたい。

2018年度入試対策・学習アドバイス

史料を読解する力をつけよう

日本女子大学の史料問題は、空欄補充や下線部問題だけでなく、その内容に関する正誤判定問題、史料の訳が出題される。空欄補充でも正誤判定でも、きちんと史料を読解しなければ解答できない。また、史料の内容の時期を問う問題も多いので、史料を扱うときには、出典はいつの作品なのか、いつの時期の内容を記しているのかまできちんと意識して学習してもらいたい。近現代史の史料は、外交文書や条約、法令集などから出題されることが多いので、出典に関する問題は少ない。しかし、古代~近世は史書や日記などが中心になるため出典を問う問題は必ずといっていいほど出題される。また、未見の史料も出題されるため、いかに設問から史料の内容や時期を割り出せるかが勝負になる。問題が全時代からほぼ均等に出題されているので、偏った時代の学習ではなくまずは全時代の基本頻出史料を読んでみよう。

記述力を高めよう

文学部は約7割、人間社会学部は約5割が記述式である。基本的には選択式より、記述式の方が得点は高い。特に日本女子大学は、選択式問題にある史料の訳に難しい問題が多いので、一問一答的な記述問題は確実に得点したいところである。また、記述式の問題は史料に関する問題ではあるが、史料を読まなくても答えられるものが多く、得点しやすいので確実に取りたい。

近現代史は戦後史までしっかりとマスターしよう

半分を近現代史が占め、戦後史が大問1題を占める年もある。2017年度は文学部はなし、人間社会学部は朝の連続ドラマを題材に戦後史が大問1題で出題されている。受験生にとって戦後史はなかなか手が出せない時代ではあるが、大問1題で出題されるとなればマスターしないわけにはいかない。まずは終戦直後の国際関係や日本の復興について1940~50年代を中心に学習してみよう。そして、1960~70年代の高度経済成長~安定成長時代の経済史、日中・日朝関係を中心とする外交史も頻出事項なのでしっかりと理解したい。