ゼミ・研究室の特徴、取り組み、特色などを掲載しています。

ゼミ研究室

※掲載している内容は、2017年6月時点の情報です。現在は内容が変更されている場合があります。

工学部
生命応用化学科 光エネルギー変換研究室

太陽光をエネルギーに変える際の反応のメカニズムを解明する

Profile 工学部 加藤 隆二 教授

学習院大学理学部化学科卒業。博士(理学)。2011年度より現職。主な研究テーマは、「色素増感太陽電池の動作機構に関する研究」「光触媒反応の動作機構に関する研究」「有機太陽電池の動作機構に関する研究」など。

新しい反応形態を提案し エネルギー問題の解決に貢献

化石燃料の枯渇が懸念される昨今、太陽光をすぐに使えるエネルギーに変換して利用するための研究が、世界中で進められている。身近なものでは太陽光発電がわかりやすいだろう。ほかにも、植物が行う光合成と同様の反応を人工的に作り出し、水素や有機物などを製造する人工光合成に関する研究なども盛んに行われている。

「この研究室では、こうした様々な化学反応のメカニズムを解明するための計測を行っています。色素増感型太陽電池や有機薄膜太陽電池、光触媒に用いられる新材料を取り寄せ、機能性材料の特徴を明らかにすることで、エネルギー変換の効率を向上させたり、コストを抑えたりするための改善方法などを提案しています」と加藤隆二先生は話す。

色の変化を見て化学反応を解明する

光を物質にあてるとそのエネルギーによって化学反応が起こり、物質の色が変化する。その変化の過程を観察することで、どのようなことが起こっているかを明らかにするのだが、高校生であれば、酸と塩基の中和反応を色で検出する実験を思い出すとわかりやすいかもしれない。

「ただし、その反応は100万分の1秒よりもっと速いスピードで起こるので、肉眼で見ることはできません。そこで用いるのが特殊な計測器、といっても今まさに研究中の材料を扱うわけですから、市販の計測器などはなく、ほとんどが手作りのものです。ここまでイチから全部やっている研究室は、最近では珍しいかもしれません。使える計測器をつくるには原理を隅々まで知っていないといけないので、学生にとっては大変です。しかしエンジニアをめざす人にとってそれは必要な力。ぜひ身につけてもらいたいですね」と加藤先生は話す。

研究室では以前、色素増感型太陽電池に関する研究をしていた学生が、偶然、乾燥ガスにさらされた際に色が変わる物質を発見し、その後、特許を取得したこともあったという。

「実は、最初学生から報告を受けた時、私は錯覚だよと言いました。しかし、その学生は諦めずに研究を続け、皆を納得させる結果を出しました。これはまさに、プロ意識の芽生え。当研究室では、こうした仕事の厳しさとやりがいを肌で感じてもらいたいと思っています」と、加藤先生は研究に取り組む研究者の気構えを強調した。