河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

現代文(N方式)

※前年度入試の学習アドバイスです。今年度情報は9月下旬より順次更新いたします。

2017年度入試の問題分析

学部の出題内容と形式

大問三題のうち、IとIIが現代文。Iでは、ある分野に関する、入門的な内容が書かれた文章を理解できるかが試される。内容は平易。それだけに、悪問はない。本を読んで内容を正確に理解し、知識を積み上げていくという、大学で勉強するにあたって、誰もが当然に身につけておくべき能力が十分にあるかどうかが判定される。2016年度は、具体的には、「わかる」とはどのようなことかということを、「概念」「対比」「分類」「心の整理」といった言葉との関連で理解することが求められた。Iは漢字を除くほとんどの設問が、本文の理解を問うものだった。それに対して、IIでは、日本語に関する正しい理解を要する設問が多い。文学史の知識も問われる。また内容を理解するだけでなく、その適切な具体例を選ぶことが求められる設問もあった。理解した内容をその場で応用する力も要した。

2018年度入試対策・学習アドバイス

主題への意識

設問を正確に解くためには、論旨を正確に追い、内容を頭に残さなければならない。そのために不可欠なのが、主題に対する意識だ。主題とは、その文章において「説明の対象」になっているものである。言い方を変えると、読者が理解しなければならないことだ。通常はたったひとつしかない。その主題に対する説明が、残りの文章全体を占める。そして、「この部分は何を説明するためのもの?」という意識を持つと、各部分の関連が見えやすくなる。そうすれば、理解した内容が頭に残り、理解したことを、実際に設問を解くときに生かせる。接続詞の穴埋めでも、このような力が問われている。

読解の基本を身につける

前述の内容とも関わるが、何かを言葉で説明する手段は限られている。「対比」「具体例」「言い換え」などがそれだ。どのような参考書でも必ず説明されている。ただし、多くの受験生はそれらを、単にチェックしているだけで終わっていることが多い。内容を理解するための手段になるのだということを踏まえておくことが大切だ。これは受験のためのテクニックというよりは、文章を理解するうえでの基本であり、大学で勉学するうえでの前提条件である。当たり前のことを当たり前にやれば解けるように設問はつくられている。

漢字と語彙力

漢字の学習は必須。漢字・語彙を直接的に問う設問も多い。また、日常ではあまり使用しないが、物事を説明したり理解したりするには必要不可欠な、多くの抽象的な言葉もその過程で覚えられる。難しそうに見える言葉に脅えて内容が理解できなくなるという事態だけは避けたい。それ以外にも現代文重要語を集めた参考書などで、多くの言葉に触れてほしい。

様々な文章に触れる

入試問題で出題される多くの文章は、日常とはまったく別の視点から物事を分析したものが多い。とはいえ、書かれている内容は、実は受験生の日常にも関わるものであることが多い。自分が親しんでいるはずの事柄を分析的に理解するという経験を、様々な文章を読むことで積み重ねてほしい。楽しみながら理解するという経験の積み重ねが、読解力向上の近道だ。それが設問に解答する力にも必ずつながる。