河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

物理

2018年度入試の問題分析

東洋大学は毎年2月に4回の試験を実施している。どの試験も〔I〕が小問集合、〔II〕が力学、〔III〕が電磁気という構成になっている。〔I〕の小問集合は小問が4問であることが多く、力学・熱・波動・電磁気から1問ずつ出題されている。2016年2月10日の試験では5問出題され、このときは力学から2問、熱・波動・電磁気から1問ずつ出題されていた。熱、波動は小問集合でしか出題されていない。また、原子は出題されていない。

出題分野に偏りがなく、原子を除いてほぼ全分野から出題されている。問題の難易度は基礎~標準だが、長方形回路の電磁誘導で磁束密度が一様でない問題(2016年2月1日)や、導体棒の電磁誘導で導体棒が2本ある問題(2017年2月10日)など、複雑な設定の問題も出題されている。また、2018年2月27日の試験の〔III〕では、磁場中で回転する導体棒に生じる電場の強さを、導体棒内の自由電子が受けるローレンツ力から導く問題も出題された。それほど多く見ない出題なので、正解するためには細かく勉強しておく必要がある。

小問の数は毎年平均21問ですべてマークシート方式による解答である。数式を選択する問題が多いが、数値を選択する問題やグラフを選択する問題もたまに出題される。

2019年度入試対策・学習アドバイス

力学、熱、波動、電磁気は出題に偏りは見られずほぼ全分野から出題されているので、苦手分野を残さず、どの分野もしっかりと勉強しておく必要がある。2016年度から大学受験の物理で原子が出題されるようになったが(2006~2015年度までは一部の医学部を除いて原則原子は出題されていなかった)、東洋大学では2016~2018年度まで原子は出題されていない。しかし、2019年度以降は出題される可能性があるので、ほかの分野と同様に勉強しておく必要がある。力学は〔II〕で出題され、電磁気は〔III〕で出題されるが、波動と熱は〔I〕の小問集合でしか出題されないので、点数の配分としては力学と電磁気に重点が置かれ、熱や波動は軽い扱いになっている。ただし、小問集合にしては複雑で、複合的な問題が出題されることもあるので、熱や波動もほかの単元と同等の勉強が必要だといえる。

年度によっては計算に時間のかかる問題もあるので、日頃から制限時間を気にして素早く解く練習をしておきたい。直前期には過去問を使って十分に時間配分の練習もしておきたい。東洋大学は1年で4つの試験を実施しているので、過去問は豊富にある。過去問を丁寧に解いて難易度、分量、時間配分を十分に研究しておきたい。

学校で配られる傍用問題集などで基礎から標準まで学習して標準的な問題は自力で解けるようにし、後は過去問を丁寧に解いていくとよいだろう。原子については過去問が存在しないので、対策が立てにくいかもしれないが、2019年度に原子が出題されるとしても、いきなり難しい問題や、出題頻度の低いテーマから出題されるとは考えにくいので、光電効果やコンプトン効果、ボーアの原子模型、原子核の崩壊などの定番のテーマを学校で配られる傍用問題集で勉強しておけばよいだろう。