河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

物理

2017年度入試の問題分析

東洋大学は毎年2月に4回の試験を行っている。どの試験も大問1が小問集合、大問2が力学、大問3が電磁気という構成になっている。大問1は小問が4問であることが多いが、2015~2017年度の3年間では2016年2月10日実施の試験だけ5問だった。熱、波動は小問集合でしか出題されていない。また、原子は出題されていない。

出題分野に偏りがなく、ほぼ全分野から出題されている。問題の難易度は基礎~標準だが、長方形回路の電磁誘導で磁束密度が一様でない問題(2016年2月1日実施)や、導体棒の電磁誘導で導体棒が2本ある問題(2017年2月10日実施)など、複雑な設定の問題も出題されている。また、2015年2月9日実施の試験では連結ピストンで仕切られた気体の問題が出題された。この問題では2つのピストンの断面積が等しいので、容器A内の気体がピストンを押す力と容器B内の気体がピストンを押す力がつり合うが、もし断面積が異なる場合は、大気が押す力が等しくならない都合により、両気体がピストンを押す力もつり合わなくなるので、注意を要する。

2018年度入試対策・学習アドバイス

力学、熱、波動、電磁気は出題に偏りが見られずほぼ全分野から出題されているので、苦手分野を残さず、どの分野もしっかりと勉強しておく必要がある。2016年度から大学受験の物理で原子が出題されるようになったが(2006~2015年度までは、一部の医学部を除いて原則的に原子は出題されていなかった)、東洋大学では2016・2017年度ともに原子は出題されていない。しかし、2018年度以降は出題される可能性があるので、ほかの分野と同様にしっかり勉強しておく必要がある。力学は大問2で出題され、電磁気は大問3で出題される。波動と熱は大問1の小問集合でしか出題されないが、だからといってこの2分野を軽く見てはいけない。小問集合にしては複雑で、複合的な問題が多数出題されているので、ほかの単元と同等の勉強が必要だといえる。

2015~2017年度にかけて、じわりと難度が上がっており、この傾向が続くならば2018年度はもう少し難しくなるかもしれない。

小問の数は毎年20~24問で多くはないが、年度によっては計算に時間のかかるものもあるので、日頃から制限時間を気にして素早く解く練習をしておきたい。直前期には過去問を使って十分に時間配分の練習もしておこう。東洋大学は1年で3つの試験を実施しているので、5年分の過去問を解くと15回分の試験の問題を解けることになる。過去問を丁寧に解いて難易度、分量、時間配分を十分に研究しておきたい。

学校で配られる傍用問題集などで基礎~標準まで学習し、標準的な問題は自力で解けるようにしておき、後は過去問を丁寧に解いていくとよいだろう。原子については過去問が存在しないので、対策が立てにくいかもしれないが、原子はほかの分野と比べて知識の有無が重要なので、光電効果やコンプトン効果、ボーアの原子模型などの典型的な問題だけでなく、細かい問題もしっかりと解いておいた方がよい。