河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

現代文

※前年度入試の学習アドバイスです。今年度情報は9月下旬より順次更新いたします。

2018年度入試の問題分析

複数の試験日程があり、それぞれ問題は異なるが、「国語」として大問2題が出題され、そのうち1題が現代文という構成は共通している。全日程とも記述問題はなく、解答はすべてマークシート方式である。問題文の分量は日程によって幅があり、2018年度は3,500~6,000字前後だった。2017年度は2,500~4,500字前後だったので、全体的に長文化したといえるだろう。問題数が10問前後、設問数が20問前後である点は2017年度と変わらなかった。問題は漢字、語句の知識を問う設問のほか、空欄補充、傍線部の説明、内容一致、脱文挿入などで構成され、最後は本文全体の趣旨判定で終わる。私立大学の現代文入試問題としてオーソドックスな形式である。全体的な難易度は標準程度。とはいえ、問題文は抽象度の高いものが多く、決して易しくない。2018年度はいずれも本格的な政治論、都市論、文明論、教育論、時間論が出題された。なかでも時間論(木村敏『時間と自己』)は、哲学的な文章になじみのない受験生にとっては理解するのに骨が折れるものだったと思われる。

2019年度入試対策・学習アドバイス

頻出分野について学ぶ

前述したように、出題される文章はかなり高度なものである。とりわけ、哲学、心理学、社会学といった人文系の分野に苦手意識を抱えていると取り組むことが困難になる。逆に、これらの分野に関して大まかな知識を持っていれば、初見の文章でも戸惑うことは少なくなるだろう。時間があれば、2018年度までに出題された文章の原典にあたる本を実際に読んでみよう。難解で歯が立たない場合は、当該分野の入門書(新書など)を先に読む。また、現代文の用語集(キーワード集)には、主要テーマに関する解説が含まれているので、自分の理解が不十分だと感じられる分野に関する記述を集中的に読むとよい。暗記する必要はない。背景となる考え方を理解することが役に立つ。

語彙(ごい)力を鍛える

漢字と語句の意味説明はもちろんのこと、空欄補充問題でも言葉に関する知識が問われる。したがって、語彙(ごい)力を鍛えることは欠かせない。文章を読んでいて知らなかった言葉、曖昧にしか理解していなかった言葉は必ず国語辞典、漢和辞典で調べるようにしよう。また、現代文用語集(キーワード集)を何度も繰り返しチェックして、知識を確立しておこう。

読解力を磨く

現代文は大問1題のみの出題であり、設問も決して多くはない。求められているのは手早く情報を処理する能力ではなく、骨のある文章に向かい合い、最後まで読み通す力だ。自分で問題演習をする際には、途中で論旨を見失わないように気をつけ、文章全体の構成を常に考えながら読むようにしよう。重要な箇所に線を引くだけでなく、対比や因果関係によって文章を図式化したり、段落ごとに内容をまとめたりする習慣を身につけるとよい。問題演習には選択肢問題中心で標準レベルの問題集を用いる。文章ごとのテーマが提示されているものを選ぶと使いやすいだろう。解答、解説がしっかりしたものを探すこと。選択肢に関しては、何となく答えることを一切やめて、必ず根拠を見つけてから解答するようにしよう。答え合わせをするときにも、解答だけでなく、すべての選択肢に関して正誤の根拠を確かめる。こうしたトレーニングを繰り返すことによって少しずつ読解力が鍛えられる。