河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

化学

※前年度入試の学習アドバイスです。今年度情報は9月下旬より順次更新いたします。

2017年度入試の問題分析

理学部は、全日程ともに試験時間が90分で問題数は大問が3題。大問すべてが記述式となっている。ただ、問題のボリュームからして、大問中に通常の小問くらいのものも含まれているため問題全体での解答時間の不足はないだろう。内容は、無機、理論、有機すべての分野から広く出題されている。そして知識を問う問題に限らず、計算問題も含まれているので注意したい。レベルは、高校で学習する基本的な問題ばかりであり、ひとつの取りこぼしが致命傷となるので注意が必要だ。

薬学部は、試験時間が90分で、問題数は2016年度と同様に大問4題であった。大問4題中2題がマーク式で残りの2題が記述式となっている。マーク式の大問は、小問14問からなっており、理学部同様に、無機、理論、有機とすべての分野から広く出題されている。なかには計算問題も含まれている。記述式は、2題ともに有機分野の構成となった。分量、レベルとも標準であり、難問と呼ばれる問題が出題されておらず、高校での学習成果がしっかり発揮できるような内容となっている。

看護学部は試験時間が60分で、問題数は例年どおり大問11題からなっている。問題数を聞くとすごく多いように思えるが、実際は、大問といっても通常は小問として扱われる問題がテーマごとに大問表記になっているので、イメージとしては小問11問と捉えればよいだろう。そのため解答時間的にも適切だといえよう。レベルは、ものすごく基本的な問題の集合で、どれも高校の学習をしっかり行ってきた受験生にはなじみがあるものばかりである。ただ、すべてがマーク式でなく、数題は化学反応式を書かされたり、計算問題の記述なども含まれるので注意が必要となる。

2018年度入試対策・学習アドバイス

(理論分野)
全学部ともすべての範囲より出題されている。そのなかでも、「気体」「結晶」「熱化学」「コロイド」「中和滴定」「酸化還元」「電気分解」「溶液の濃度」「化学平衝」は入念に練習を重ねてもらいたい。計算は実際に手を動かして、解答を自力で出せるまで行ってもらいたい。薬学部では、特に計算にまごついていると解答時間内に終わらない可能性があるので注意しよう。

(無機分野)
高校での実験で扱う内容を中心に頻出分野をしっかりと自分のものにすることだ。特に注意したいところは「ハロゲン」「アルカリ金属」「アルカリ土類金属」「アルミニウム」「アンモニア」「硫酸」「硝酸」などの性質、また「陽イオンの系統分離」については問題集などにあたっておくこと。

(有機分野)
「元素分析」「アルコール」「油脂」「異性体」「フェノール」「アニリン」「天然高分子」「合成高分子」「エーテル抽出」など。そのなかのフェノールについては、ベンゼンからフェノールの合成、そしてそこからサリチル酸、そこからアセチルサリチル酸、サリチル酸メチルの合成。アニリンについてもベンゼンからアニリンの合成、そこからジアゾ化、そこからカップリング反応までは、カードなどにまとめて覚えていこう。さらに有機化学の有名な検出反応についてもしっかりまとめておこう。

(全体について)
全学部とも基本に忠実な出題で、受験生に無理を強いる出題は皆無だ。東邦大学は「自然・生命・人間」を探求すると標榜しているとおり、基礎学力をしっかりと身につけた学生を望む。そのとおりの出題となっている。