ゼミ・研究室の特徴、取り組み、特色などを掲載しています。

ゼミ研究室

基礎工学部 材料工学科
小柳研究室(分野:複合材料工学)

指導教員 小柳 潤 准教授

早稲田大学理工学部機械工学科卒業、同大学院工学博士課程修了。JAXA(宇宙航空研究開発機構)宇宙科学研究所勤務を経て、2013年から現職。日本航空宇宙学会材料部門委員、日本複合材料学会理事などを務める。

宇宙開発や航空分野で用いられる最新材料を生み出すのが研究テーマ

研究テーマ

複合材料の研究開発は難しいからこそおもしろい


個人の机で各々が研究に取り組む

航空宇宙の最前線ではさまざまな新材料が利用される。宇宙開発や航空機向け材料の開発・評価に携わっているのが小柳潤先生だ。先生は以前、JAXA(宇宙航空研究開発機構)に7年間在籍。もともと大学・大学院時代は機械系だったが、東京理科大学に来てから材料工学の世界に転じ、機械の知識と経験を研究に生かしている。

主な研究分野は3つ。ひとつは“21世紀の材料”といわれる炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の機械特性に関する研究で、2つめが耐熱材料の評価。そして3つめが高分子材料にいま注目のナノ材料・グラフェンをまぜて作る複合材料の開発で、大きなターゲットは温度差で発電を行うための機能性材料と、宇宙エレベーターのケーブルの材料となる超高強度複合材料だ。温度差発電は人工衛星に搭載しての実用化をめざしている。

複合材料の研究は、たとえば2つの材料をまぜるから2倍難しいということではなく、複合することで5倍にも10倍にも難度が上がる性質のものです。その開発は難しいがゆえにおもしろい。そこに山があるから登る、という冒険家の気持ちとおそらく同じなのではないかと思います」

研究の成果

成果よりもプロセスを重視
刺激的な経験で学生を育てる

研究室の日常は、毎朝30分の英語の勉強から始まる。その後、午前中は講義や発表会、シミュレーションなどに連日取り組んでいる。午後は各自でテーマに取り組む時間だ。

学生には発表の重要性も教えている。「場数を踏んで精神的に強くなってほしい」というのが小柳先生の思いだ。9月のゼミ合宿は他大学数校との合同開催で、100名近い参加者を前に発表を行う。学部生にはハードルは高いが、学会発表も積極的に挑戦してもらうという。

「合宿での発表も、学会発表も、学生たちには最高の刺激になります。学生をたくさん育てて、世の中で活躍してもらえたら。その意味で育成にはもっとも力を入れています」。さらには、JAXAと先生との縁から、研究室から院生を中心に毎年数人、JAXAに送り込む。2、3年の長期間にわたってJAXAに常駐し、大きな責任の伴う研究開発に携わる。

「学生はまずプロセスをしっかり経験することが大切。成果を気にせず失敗をしながら学んでいってほしいですね」

研究の進め方


  • ある日の研究室の午後、パソコン上で材料の特性をシミュレーションする学生と小柳先生。ほとんどの学生が自主的に課題に取り組む。


  • 人工衛星のアンテナに使われる素材にかかる負荷の評価。様々な条件でシミュレーションを行う。開発に加え評価作業も大きなテーマ。


  • 「心身共に健康をめざす」(小柳先生)ため、月に1回グラウンドでサッカーなどを楽しむ。和気あいあいとした雰囲気が特徴の研究室だ。