河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

化学

2017年度入試の問題分析

出題範囲は「化学基礎」・「化学」で範囲の逸脱などはないが、薬学部や理学部化学科・応用化学科などの入試問題の一部には難問もある。概して基本~標準問題が多いが、それでも一筋縄ではいかない計算問題・試行錯誤が必要な問題なども出題されており、中堅私立大学よりレベルの高い問題が多い。また、選択肢が多いことや、数値計算の解答形式に特徴があることなどに注意し、入念な準備をしておく必要がある。2017年度の出題で目立ったものを挙げておこう。薬学部薬学科では、溶液系の頻出問題も出されたが、核酸の問題が大問(大問4題の1題分)で出てDNAの二重らせん構造のメカニズムや特徴を学習していないとまったく歯が立たなかった。生命系の学部学科は生化学まで演習をしておく必要があるので注意したい。理学部化学科では最密充填構造の層の積み重ね方の問題が出て、立体図形の数学力も問われていて、いかにも化学科らしい問題が出されている。基礎工学部ではアレニウスの式も出されていて数学的に難しかった。

全体では、電離平衡問題の出題が多くの学部で見られ、溶液の束一性(凝固点降下・沸点上昇・浸透圧)、反応速度の問題も頻出であることは変わらなかった。有機も基礎力を問う問題から思考力のいる構造決定問題まで出ていて、しっかりと対策したい。天然高分子の分野では2017年度も糖・タンパク質の出題が多く見られた。東京理科大学らしく思考訓練が必要な問題も出るので特に注意したい。なお、全学入試の問題は比較的取り組みやすい。

2018年度入試対策・学習アドバイス

1.化学の基礎:周期律をしっかりと確認しておくこと。特に電気陰性度は極性や反応性・溶解性などを考える基になっているので十分に使いこなせるまで実力をつけたい。

2.化学量論計算問題:化学反応式を用いた計算、濃度計算、電気化学計算、結晶構造・密度計算、溶解度計算、熱化学計算などの種々多様な計算問題が出題されている。難しい問題もあるので、標準~発展的な問題を多く含む問題集を1冊きちんとできるまで何度も繰り返そう。

3.化学反応の理論(中和反応、化学平衡、反応速度など):中和滴定、pH計算、電離平衡計算、反応速度計算、溶解度積の計算まで標準~発展問題について理解度を高めてマスターしておくこと。また、平衡が絡む状態方程式の問題や酸化還元の問題も頻出なので、十分に演習しマスターしておきたい。

4.有機化学:天然・合成高分子まで出るので、早めに一通りの学習を終わらせたい。有機化合物は官能基を中心に反応や化学的性質をしっかりとまとめておくこと。また、検出反応は構造決定問題などで重要なので、特に力を入れて学習し、試行錯誤が必要な構造決定問題に多く取り組んでほしい。芳香族化合物などはフローチャートを用いて整理して覚え、さらに試薬と反応条件まで押さえておきたい。

最後に過去問題集を演習・研究することは極めて有効な対策となる。特に東京理科大学はレベルの高い問題も多いので、過去問を解くことにより、大学が必要としているレベルを肌で知ること、および特徴的な解答形式・出題形式に慣れることができるからである。最低限2~3年分は早めに解いておきたい。また、他学部・学科の問題も東京理科大学らしさがあるので積極的に取り組むと効果的である。