河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

化学

2018年度入試の問題分析

薬学部の一般入試では、A方式、B方式、S方式などあるが、ここでは、B方式について問題分析をしていく。2016年度からすべてマークシート方式となった。配点は英語、数学が各100点に対し化学は150点あり、化学が得意な人にはとても有利である。[1]は化学基礎、化学を合わせた小問集合である。いずれも基本問題である。[2]の問1は酢酸水溶液の中和滴定で、頻出問題であり落とせない。問2は電離平衡のうち、溶解度積の出題である。溶解度積の理解が不十分な受験生を見かけるが、準備が不可欠な分野である。電離平衡は3年続きの出題で、最重要分野である。問3は電気分解が出題された。[3]は化学反応と熱エネルギーについての出題。問1では気体反応と燃焼熱の量計算、問2では燃焼熱と結合エネルギー、問3では活性化エネルギーと生成熱を融合した問題が出題された。複数分野が組み合わされているためまごつく受験生がいたことだろう。4は有機分野からの小問集合である。脂肪族、芳香族、天然有機、合成高分子、各化合物が含まれている。2016年度まであった構造式の記述はなくなった。設問数は無機物質が4、有機分野が10あり、有機分野は無機分野よりウエイトが高い。無機、有機と比べ、理論分野は圧倒的に多い。理論重視の出題といえる。

2019年度入試対策・学習アドバイス

2015~2018年度を見ると、多くは小問集合である。化学基礎、化学の全分野から出題されている。題材は多岐にわたり、まんべんなく目を通す必要がある。教科書の隅々まで手が抜けない。

理論分野

化学平衡は設問数が多く、得点の割合が高い。東京薬科大学に限らず私立薬科大学の入試では、電離平衡(緩衝液、塩の水溶液、溶解度積)は頻出であり、弱酸や弱塩基水溶液の電離度、水素イオン濃度、緩衝液の近似式は書けるようにしておこう。酸と塩基、酸化還元反応もよく出題される。有機分野でも、設問のなかに量計算が含まれることがよくある。反応式と物質量の計算は必須である。特定の分野に山を張れない。全分野への目配りが必要である。多様な問題を身につけておかねばならない。

無機分野

出題量は比較的少ないが無視はできない。内容が多岐に及んでいるため、無機分野一通りの学習が必要である。代表的な無機物質の性質や反応をチェックしよう。また、代表的な化学工業、気体の製法・性質、金属の製錬、陽イオン分析の知識も必須である。

有機分野

全分野偏りなく学習する必要がある。脂肪族化合物、芳香族化合物だけでなく、糖類、アミノ酸、タンパク質、脂質も出題される。核酸、合成高分子も手を抜けない。また、異性体の数、量計算、高分子の計算も頻出である。覚えていれば得点できる問題は期待できない。考えなければ得点できない。

学習の仕方

標準的な問題が解ければ、十分に合格点に達する。入試本番では試行錯誤しながら解く時間はない。演習の経験が少ないと、まごつくものもある。いかに多様な問題を消化したかが勝負となろう。そこで、標準的な問題集を1冊、応用問題を含めて全問を仕上げていくとよい。また、秋以降は過去問を用いて、解答時間を意識した学習が必要である。