河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

化学

2017年度入試の問題分析

薬学部の一般入試では、A方式、B方式、S方式などあるが、ここでは、B方式について問題分析をしていく。2016年度からすべてマークシート方式となった。配点は英語、数学が各100点に対し化学は150点あり、化学が得意な人にはとても有利である。[1]無機分野中心の小問集合である。いずれも基本問題である。[2]問1:濃度計算は落とせない。問2:安息香酸の電離平衡、緩衝液の出題である。近似式の誘導などなく、一気に数値計算させている。電離平衡は2016年度に続く出題で、最重要分野である。問3:ダニエル電池が出題された。[3]問1・2:反応速度である。標準的な問題集を仕上げた人は完答できたと思われる。問3:気体が出題された。飽和蒸気圧が曖昧な場合、混乱すると思われる。[4]有機分野からの小問集合である。[1]では設問が8あり、[4]では設問が10あり、有機分野は無機分野よりウェイトが高い。10の設問のうち、5題が脂肪族化合物、3題が芳香族化合物、合成高分子(PET)と天然高分子(タンパク質)が各1題である。2017年度は脂肪族化合物に傾斜している。題材は多岐にわたり、エノールのエステル加水分解が出題された。過去には、核酸の出題があった。教科書の隅々まで手が抜けない。

2018年度入試対策・学習アドバイス

理論分野

過去3年間を見ると化学基礎、化学全分野から出題されている。なかでも化学平衡は設問数が多く得点の割合が高い。東京薬科大学に限らず、私立薬科大学の入試では電離平衡(緩衝液、塩の水溶液、溶解度積)は頻出であり、弱酸や弱塩基水溶液の電離度、水素イオン濃度、緩衝液の近似式は書けるようにしておこう。2017年度には出題されなかったが、酸と塩基、酸化還元反応もよく出題される。有機分野でも、設問のなかに量計算が含まれることがよくある。反応式と物質量の計算は必須である。特定の分野に山を張れない。全分野の目配りが必要である。多様な問題を身につけておかねばならない。

無機分野

出題量は比較的少ないが無視はできない。内容が多岐におよんでいるため、無機分野一通りの学習が必要である。代表的な無機物質の性質や反応をチェックしよう。また、代表的な化学工業、気体の製法・性質、金属の製錬、陽イオン分析の知識も必須である。

有機分野

全分野偏りなく学習する必要がある。脂肪族化合物、芳香族化合物だけでなく、糖類、アミノ酸、タンパク質、脂質も出題される。核酸、合成高分子も手を抜けない。また、異性体の数、量計算、高分子の計算も頻出である。憶えていれば得点できる問題は期待できない。考えなければ得点できない。2015年度まであった構造式の記述は、2018年度の出題は不明だが、準備はしておいた方がいいだろう。

学習の仕方

標準的な問題で十分に合格点に達する。入試本番では試行錯誤しながら解く時間はない。演習の経験が少ないと、まごつくものもある。いかに多様な問題を消化したかが勝負となろう。そこで、1冊の標準的な問題集の発展問題を含めた全問を仕上げていくとよい。また、秋以降は過去問を用いて、解答時間を意識した学習が必要である。