河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

生物

2018年度入試の問題分析

各日程とも試験時間は60分で、解答様式は全問マークシート方式である。大問数は4題であり、小問数は39~41で、日程による難易度の差というものはほとんどない。解答形式は、文章中の空欄に当てはまる用語を選択するものや、4~6つの文章選択肢から正しいものや誤ったものをひとつ選択するものが中心である。ただし、4~8つの選択肢から正しいものや誤ったものを複数組み合わせているものを選ばせるという出題も定着してきている。また、ここ数年は実験や観察に関する資料を分析させる問題も散見されるようになった。2015年度のゾウリムシの顕微鏡写真を選ばせるものやカタツムリの調査に関するもの、2016年度の群れ内の対戦結果から順位を資料分析させるもの、2017年度は自家不和合性に関するもの、2018年度の血球計算盤による酵母菌の増殖を調べるものなどがその例であり、こうした問題で点差がつくものと考えられる。2015年度から、生物の進化と系統分類からも出題されるようになり、以降何らかの形で毎年出題されている。2015年度は生物の進化から集団遺伝、系統分類から節足動物、2016年度は系統分類から系統樹の作成手順、2017年度は系統分類から系統樹の仕組み、2018年度は生物の進化から進化説と集団遺伝が出題された。難易度的には、どの日程の問題も標準的で、難問といえるような出題はほとんどない。しかし、正しいものや誤ったものを2つ組み合わせている選択肢を選ばせる設問では、かなり正確な知識が要求される。また、実験や観察をベースにした問題では、リード文を素早く読解する能力も必要である。

2019年度入試対策・学習アドバイス

正確な知識がベースとなる

実験・観察などの資料分析問題では、その場で考察するというのが前提であり、特別な知識は必要ない。しかし、出題の多くは知識をベースにした問題であるから、教科書レベルの基本的な知識を正確にマスターしていることが要求される。教科書レベルを超えたような知識は要求されないので、教科書を丹念に読み込んでおくことが重要である。動物の配偶子形成過程で生じる細胞の名称や受精過程の詳細、クエン酸回路やカルビン・ベンソン回路を構成する物質の炭素数、現存する生物種の数など、教科書記載のことはすべて出題される可能があると考えておいた方がよい。

教科書準拠の問題集を繰り返そう

教科書の熟読と並行して手持ちの教科書準拠の問題集を繰り返し演習することが大切である。とりわけ知識問題では知識の定着度がものをいう。知識問題への対策では、例題・基本問題・学習問題の反復が有効である。学習の際には、まず例題だけを通して演習し、全体像を把握してしまいたい。そののちに基本問題を通して演習すればムラなく仕上がるだろう。

実験や観察の分析問題への対策

分析問題というと、それだけで臆してしまう受験生も多いが、決して恐れる必要はない。教科書準拠の問題集には各章の最後に実践問題が配置されていることが多い。そのなかから表やグラフのある問題を選んで、資料分析問題への対策とするとよいだろう。資料分析問題では、同じ内容が出題されることは少ないので、こうした問題は時間配分の練習と捉えておけばよい。