河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

物理

2017年度入試の問題分析

出題形式は選択式と記述式の併用。学部・学科によらず、ほぼ同様の形式で大問は3題である。大問の1題目は小問集合(総合分野)で3問出題され、その各問の設問数は2問ずつあり、解答群から解答番号を選択する形式である。2015年度の前期日程(1日目から4日目まで)および2014年度の4日目と5日目の大問1題目は空所補充形式であり、大問2題目と3題目の設問数についてはどちらも4問であった。その大問2題目および3題目の前半2問が選択式で、後半2問が解答を導き出す過程を記述する解答形式であった。この形式は2017年度でも前期日程の4日目と5日目で実施された。1日目から3日目までの大問2題目と3題目はともに問形式で4問あるが、2題目は選択式、3題目は記述式であった。出題範囲は、「物理基礎」から4割前後、「物理」からは6割前後の割合で出題されている。特に「力学」と「電磁気学」の分野はほぼ確実に出題されている。難易度は、大問3題のいずれも設問の半分ずつ、基本的な問題と標準的な問題とでバランスよく出題されており、難問は出題されていない。

2018年度入試対策・学習アドバイス

2013年度以降、大問数や各設問数の分量、また、解答形式が選択式や解答を導き出す過程の記述という形を用いたりする点では、ほとんど変わっていない。大問2題目あるいは3題目の解答を導き出す過程の記述対策としては、まず過去問を通してスピーディーかつスマートな解答を作成できるように反復練習をしておこう。

「電磁気」分野では、直流回路の見直しや電気振動などのほか、交流回路に絡むコンデンサーおよびコイルの関連問題、そして磁界中における帯電粒子の運動など、典型的な問題を学習しておくとよい。「力学」分野については、「物理基礎」の教科書を用いて力の取り方、すなわち、力をベクトルとして物体に正しく示す作業から始めて、それから力のつり合いや「物理」の教科書で力のモーメントの基礎を固めていくように心がける。それから「物理基礎」のなかで、運動方程式もきちんと立てられるようにし、同時に等加速度運動の公式も用いながら、速度・変位・時間などの物理量を求められるようにしておこう。これらがしっかり身につけられたら、「物理」の円運動や単振動、そして万有引力に関する演習に取り組もう。ただし、この一連の学習法に入るときは、まずはじめに教科書の例題を用いて基本事項をきちんとチェックすることを重視し、その後、標準問題集の例題の解法にも目を通しながら、物理的概念を再確認していくようにする。この過程を繰り返して学習の流れをつくり、その流れのなかで「力学」のさらなる得点源となる仕事やエネルギーに関する解法も確実に押さえていくとより効果的である。

なお、2016年度に引き続き大問3題目の出題分野は「力学」のみであったが、2015年度まで出題されていたそれ以外の分野の対策として、「力学」分野のような数式を立てることだけに偏ることがないようにし、物理現象をできるだけ“イメージ”もしながら学習するという姿勢も大切にしよう。特に「原子・原子核」は、これらの分野にまたがる学習姿勢を保つことが大事である。以上のように、これらの学習アドバイスを重点に置きながら、計画的な学習を進めていこう。