河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

日本史

※前年度入試の学習アドバイスです。今年度情報は9月下旬より順次更新いたします。

2018年度入試の問題分析

全日程とも大問4題。文系1日目は、小問50問のうち記述式33問で記述式を中心に出題する傾向は例年どおりである。

大問Iは中尊寺と大覚寺、大問IIはアメリカ大使『ライシャワーの日本史』、大問IIIは西洋技術の導入と民族主義、大問IVは戦後の史料雑題(教育基本法、経済白書、沖縄返還)。文系2日目も、小問43問のうち記述式が25問と記述式を中心に出題している。大問Iは「すわる」という姿勢について、大問IIはケンペルの『日本誌』、大問IIIは明治~昭和戦前期の教育、大問IVはドッジ声明から見る日本の経済。近世以降、近現代に比重が多いことにその特徴が見られる。

2019年度入試対策・学習アドバイス

史料を読解する力をつけよう

東京女子大学の史料問題は、空欄補充だけでなく、その内容に関する正誤判定問題が出題される。空欄補充でも正誤判定でも、きちんと史料を読解しなければ解答できない。また、近現代の史料は未見史料であることも多い。しかし、古代などと違って読みやすいので、特別に未見史料対策を取る必要はない。その史料から当時の日本の状況を詳細に問う問題が出題されるので、史料から年代や内閣などを割り出して、どの時期なのかを意識して設問を考えることが重要である。

テーマ史を意識した学習をしよう

東京女子大学は大問1問目にテーマ史問題が出題されることが多い。その場合、古代~中世にかけてのテーマが多い。受験勉強は通常、年代順に学習するのが一般的である。そのときに、テーマを意識しながら学習してみよう。2018年度の「すわる」という姿勢についてのテーマ史のように、まったく勉強したことがないようなテーマが出てくることがあるが、その知識を問われているわけではない。座る位置、坐禅、正座などを題材にしているが、結局は遣隋使や禅宗、茶の問題であり、一般的な問題である。奇をてらうようなリード文が出ていたとしても、きちんと読めば通常のことが問われていることが多いので慌てないこと。

近現代史は戦後史までしっかりとマスターしよう

問題の半分以上を近現代史が占め、戦後史が大問1題を占める年もある。東京女子大学の創立者である新渡戸稲造が国際的貢献者でもあり、近現代の問題には外交問題が多く見られる。2018年度のライシャワーの問題も、ライシャワーが東京女子大学創立の関係者として出題されている(以前にも新渡戸稲造の歴史は出されている)。史料問題にも条約や協定などが使用されることも多く、その締結背景などもしっかりと問われる。女子大学でここまで戦後史をしっかり出す大学は珍しく、受験生が追いついていない分野だけに、ここが勝負になる可能性が高い。戦後直後だけでなく、1970~80年代まで出題されている。

記述力がすべての鍵である

55~65%が記述式の問題である。単語を正確に記述できる力が問われる。ただ単語を書き続けるのではなく、その単語の意味をまず考え、問題文にくるであろうキーワードを意識しながら記述練習を徹底しよう。

図版問題にも注意が必要

2018年度に農具の絵、商品流通の流れ、東南アジアの地図(バタビアやアユタヤなど)が出されている。2017年度は北方領土の地図、2016年度には奈良時代の系図、江戸時代の小判の金の含有量のグラフなどが出題されており、図版の出題も意識した学習をしよう。