河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

化学

2017年度入試の問題分析

薬学部は大問4題で、すべて記述式である。問題内容と難易度は、[1]結合エネルギー、周期表、炎色反応、沸点上昇、コロイド溶液、C3H6Oの異性体で小問6問。すべて基本的である。[2]中問2つに分かれている。問1は塩酸と酢酸の混合溶液の二段滴定。標準的な内容だが、二段滴定は不得手な受験生が多いので、差がついたであろう。問2は塩化ナトリウムと塩化カリウムの混合物に関する計算問題と錯イオンに関する知識問題。標準的である。[3]エタノールとアセチレンを中心とする脂肪族化合物の基本的な知識問題と水上置換の計算問題。[4]中問2つに分かれている。問1は単糖類と二糖類に関する基本的な知識と計算問題。問2はアミノ酸とタンパク質に関する知識問題で、すべて基本的である。2016年度に続いて、ほぼすべてが平易な基本問題である。計算問題の比率も2割ほどで、数年前と比べるとかなり減少している。高得点者も少なくないであろう。全体として、基礎学力があれば高得点が可能な出題であった。医療技術学部と理工学部は同一問題。大問4題中の[1]は必須問題、残る3題中2題を選択する形式で、すべて記述式である。問題内容と難易度は、[1]同位体に関する知識問題および原子量の計算問題。α線に関する知識は教科書記載ではあるが手薄な受験生も少なくないはずで、差がついたと思われる。[2]中問2つに分かれている。問1は原子の構造、溶液の濃度、pH、組成式と式量、凝固点降下度の小問5問。標準的だが、差がついたであろう。問2はさらに2問に分かれ、前者は中和の量的関係の計算、後者は中和および錯イオン形成の両的関係についての計算問題。前者は基本的だが後者は題意を読み取り難く、この設問があるので[2]を選択しなかった受験生が多かったと思われる。[3]反応熱や結合エネルギーに関する計算問題。ルミノールなど光化学に関する設問は手薄な受験生が多かったであろう。熱化学の計算を不得手とする受験生が多いが、[2]を選ばなければ、これを選択しなければならない。[4]アニリンの合成と反応に関する知識問題。標準的であるが、ニトロベンゼンの還元の化学反応式など手薄な受験生が多い分野である。2017年度は、全体に例年よりも難しくなった。[2]を避けたいところだが選択[3]や[4]も易しくはなく、逃げ場のない構成であった。平均点や合格者最低点はかなり下がったと思われる。

2018年度入試対策・学習アドバイス

薬学部への対策

基本的な問題ばかりなので、高得点が狙える。以前は有機が2題という年度もあったが、2016・2017年度は有機1題である。基本知識をしっかり固めることと、苦手分野・手薄な分野をつくらなければ大丈夫である。

医療技術・理工学部への対策

例年は基本から標準の計算問題が出題され、その比率は他大学と比べても高かった。計算問題が苦手な受験生は苦戦必至である。どれも解法を知っておくだけで解ける問題なので、頑張れば必ず解けるようになる。幅広く出るので、苦手な項目を残さないように一通りの解法、公式をマスターしておこう。また、計算問題の学習・解答に際しては、単位を意識して取り組むとよい。2017年度の傾向が続くならば、基本だけでなく標準レベルの問題もしっかり解けるようにしたいし、教科書を何度も読み込む必要がある。