河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

現代文

2018年度入試の問題分析

学部の出題内容と形式

学芸学部英文学科・国際関係学科、総合政策学部で現代文が2題課される。いずれの学科でも形式は同一で、すべて記述式での解答が求められる。オーソドックだが私立大学では珍しい。大問一では学科ごとに様々な主題の文章が出題されたが、「倫理以前の倫理」「生きている死者」「情報化とグローバル化に逆らう文学の普遍性の基底にある〈魂〉」など、いずれもにわかには理解しがたい事柄を扱っている。自分の言葉を使いつつ、説明を追いながら、何をいおうとしているのかを理解しようとすることが必要。解答を作成する際にも、特定の部分のみを書き写すだけで筋の通った論理的な説明をすることは困難。本文の言葉を使用する場合も、事前に自分なりの理解を組み立てておくことが不可欠だ。大問二では、傍線の内容・理由の説明が課された後で、本文に対する自分の見解を提示することが求められる。学芸学部英文学科と国際関係学科では、真っ向から反論することは困難な内容だが、筆者の見解を反復するだけ、あるいは具体例を提示するだけでは不十分。筆者の議論をどのように展開するかが腕の見せ所。総合政策学部では、「反論」をするよう明示的に求められている。筆者の議論が暗黙の前提としている事柄を明らかにしたうえで、それに対する自分の見解を明快に書く必要がある。反論が求められているが、議論のなかに明らかな誤りを発見することは困難。内容を理解しつつ筆者の主張を支える前提を考える。

2019年度入試対策・学習アドバイス

内容の理解

ただ字面を追うだけでは不十分。理解するという姿勢が不可欠。「対比」「具体例」「言い換え」に気をつけるという受験現代文の基本を踏まえたうえで、「主題」(何を説明しようとしているのか)、「論旨」(議論はどのように組み立てられているのか)を理解することが必要。また、筆者の言うことを単に鵜呑みにするのではなく、わからない部分で立ち止まることも重要。そうすると、その部分を理解するために不可欠な説明に目が行き、さらに、納得できなかった場合には、課題文に対する自分の見解を組み立てるきっかけになる。

内容の説明

傍線部の言葉を説明するとは、「傍線部と同じ内容になるように本文の言葉を切り貼りせよ」ということではない。わかりやすく論理的に説明することが求められている。本文を読解するときも、傍線部にのみ着目するのは避けて、文章の全体像を踏まえたうえで、傍線部が置かれた文脈を理解する必要がある。それ以外にも、指示語の指示対象を明確にする、特殊な言い回しがあれば通常の平易な言葉で説明することなどが必要。また、書いた後で、自分の答案を読み直す習慣が重要。多くの受験生は本文のフレーズの切り貼りで対応すると思うが、課題文のなかでは周囲の文脈によって意味が与えられている言葉が、短い解答欄では意味不明になることも多い。読み直さないとそのことに気づけない。気づいたら、恐れず、自分の言葉で説明することが不可欠。このときに的外れな内容にしないためにも、本文の正確な理解が非常に重要。採点者は、自分の言葉によって説明している部分で、受験生の言語能力を評価しているはずだ。