河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

現代文

2017年度入試の問題分析

学部の出題内容と形式

英文学科、国際関係学科、総合政策学科で現代文が課される。すべて論述形式で出題される点が、多くの私立大学と異なる特徴である。第一問においては50~90字の傍線部説明が四題と、全体の主題に関わる150字の説明問題が一題。さらに漢字の読み取りおよび書き取りが出題された(総合政策学科は第二問)。英文学科では、これまで「周縁」に置かれた人々の文学作品による言葉の活性化、国際関係学科は、オバマ前大統領による広島演説に見られる、「ヒロシマ・ナガサキへ」への視点と歴史的想像力の転換、総合政策学科では道徳教育と普遍的道徳の存在を扱った文章が出題された。第二問は比較的平易な文章が出題される。70~80字での傍線部説明問題のほか、最後に「筆者の意見を踏まえてあなたの考えを述べなさい」という200字の設問があり、自分の見解が問われる点に特徴がある。英文学科ではグローバリゼーションを利用した文化の保護、国際関係学科では表現の自由と他者との関係、総合政策学科では若者の政治意識と自立・教育がテーマだった。2017年度から募集が始まった総合政策学科でも、他学科と同様の出題形式が踏襲された。

2018年度入試対策・学習アドバイス

論述問題を解けるようにするためには、主題を把握する、論旨を把握する、そのうえで筆者の説明に忠実な仕方で本文の内容を理解する、論理的かつ明晰に内容を説明する、以上のことを心がける必要がある。本文の特定の箇所からそのまま抜き出すだけでは、もちろん説明にはならない。

主題と論旨の把握

文章の内容を正確に理解するためには、まず主題を理解しなければならない。主題とは、その文章における「説明の対象」である。つまり読者が理解しなければならないことだ。通常はたったひとつしかない。その主題に対する説明が、残りの文章全体を占める。「この部分は何を説明するためのものか」という意識を持つと、各部分の関連が見えやすくなる。つまり、論旨(文章の骨格)が把握できるようになるということだ。論旨を把握できれば、何が重要な論点なのか理解がしやすくなり、内容も頭に残る。こうすると、主題を理解するうえで不可欠な説明がわかり、重要な箇所も把握しやすくなる。文章の全体像を把握しておくと、個々の設問で論じなければならない論点も自ずと明確になる。各学科とも、読者からの理解を意識して明快な説明を展開した文章が出題されており、筆者の論理展開を素直にたどれば理解できるはずの文章ではある。ただし、常識が実感に反した内容が扱われている文章も多い。自分とは異なる他者の見解を、その場で理解するという姿勢が重要だ。

書く訓練

しかし、頭のなかで理解しようとするだけでは「わかったつもり」になるだけで終わりかねない。実際に解答を作成することで、自分の理解の妥当性を確認する必要がある。説明できてこそ、理解したことの証となり、自分の意見を書く前提にもなる。その際、まずは未消化であっても、一度書いてしまうことが重要だ。その後、自分の答案を読み返して、自分で納得のいく解答ができるまで何度も書き直すとよい。書き直しの作業が、書く力をつくり、文章の理解をさらに深める。制限時間を設けた訓練は、その後だ。