河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

現代文

2018年度入試の問題分析

国語の問題は4題からなり、漢字の読み書き1題、現代文2題、古文1題の構成である。漢字は読み書き各5問ずつ、現代文は小説と評論から各1題の出題。試験時間は80分なので、漢字を除く1題あたり25分ほどが使える計算だ。問題文は2,500字前後で、入試問題としては標準的な長さである。 2018年度入試では、小説では伊藤野枝や上司小剣といった作者による大正時代の作品が、評論では人種差別や進化を扱った文章が、それぞれ出題された。いずれも比較的読みやすいので、その内容をしっかりと読み取り、着実に解答していきたいところである。 解答形式は記述式・客観式の併用。小説および評論問題の出題内容は、語句の意味、空欄補充、抜き出し、傍線部の説明問題、本文の趣旨に関する問題など、私立大学の入試問題としては典型的なものが多いが、文学史問題、そしてA方式のみ記述説明問題が課される点は特徴的だ。記述問題は, 2017年度は評論の1問のみだったが、2018年度は小説、評論で1題ずつ、それぞれ30字以内で出題されている。 全体的な難易度は標準レベルである。

2019年度入試対策・学習アドバイス

漢字の学習はおろそかにしない

漢字の読み書きが5問ずつ出題されているが、いずれも標準的なレベルであり、ここでの失点は痛い出遅れとなる。漢字対策の問題集を反復練習するなどし、知らない漢字を減らしておきたい。

語彙(ごい)力もしっかり身につけよう

B日程の評論では語句の意味が5問も出題されたのをはじめとして、空欄補充などでも語句の意味の理解が決め手となる選択肢問題が散見される。頻出用語を集めた参考書などを一冊決めて取り組み、語彙(ごい)力の向上を図ろう。

小説は全体の主題を押さえよう

小説の問題はセンター試験でも出題されているが、それに比した聖心女子大学の入試問題の特徴は、問題文全体を貫く主題を意識した設問が多く見られる点にある。また、抜き出し問題についても、本文を広く見渡しながら正解を探していく必要がある。もちろん、傍線部やその前後への着眼も大切だが、それ以上に、文章全体の主旨を捉え、登場人物の心情を的確に把握したい。

問題演習で抽象的文章に慣れる

本文全体への目配りの重要性という点は、評論の問題にもあてはまる。読解問題の設問は、数としては少ないが、本文の論旨に関わるものばかりである。しかし、文章読解の訓練が不足していると、論旨がつかめないといった事態に陥りかねない。設問形式はオーソドックスなので、標準的なレベルの問題集を用いて、様々な問題文に触れつつ解答能力を鍛える経験を重ねていきたい。ただし、その際には、単に答え合わせだけで済ませず、本文の内容理解の確認もおこたらないようにしたい。

記述は題意に沿った答案構成を

多くの受験生にとって一番の気がかりは、評論問題で課される記述問題への対応であろう。解答にあたって必要なのは、設問からの要求を冷静に把握したうえで、答案に盛り込むべき情報を本文から不足なく探し出し、適切な形に整えて文章化する力であり、これを養うには記述式の設問で実際に練習するのが一番である。よって、問題演習としては、選択式問題と記述問題の双方を含み、解説がしっかりした問題集を用い、解答後に正解の根拠をじっくり確認しつつ進めるのがよいだろう。