河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

現代文

2018年度入試の問題分析

全学部統一入試のE方式、各学部個別のA方式ともに国語は大問3題。試験時間はE方式が75分、A方式が60分。文学部のA方式のみ古典を範囲に含み、また記述問題が出題される。ほかはすべてマークシート方式であり、範囲が現代文と国語総合(近代以降の文章)に限定される。ただし、E方式の第三問では明治・大正期の文語文が出るので注意が必要である(2018年度は幸田露伴の随筆が出題された)。問題文は評論と随筆からなり、政治、経済、科学、言語、教育、哲学など幅広い分野から選ばれている。内容も硬質で考えさせられるものが多い。設問は漢字、語句の意味、文学史といった知識問題と傍線部の内容説明、空欄補充、本文の趣旨判定という構成で、難易度は標準レベル。しかし、どの方式・学部にも4,000字を超える問題文が含まれ、1題ごとの設問数も6~20問と決して少なくない。時間内にすべて解くためには手早い読解と問題処理が必要になるだろう。なお、2017年度は文学部、2018年度は経済学部のA方式で複数の文章を組み合わせた問題が出題された。

2019年度入試対策・学習アドバイス

言葉と文学史の知識を身につける

成蹊大学の入試問題では、受験生に相当高い語ご彙い力を求めている。2017年度は「やくたいもない」「放縦」、2018年度は「乾坤一擲」「浩瀚」といった語句の意味を答えさせる問題が出された。こうした日常生活で触れる機会の少ない語に関しては、意識的に学ぶ姿勢を身につけよう。文章を読んでいて知らなかった語はもちろん、意味を正確に説明できない語に関しても逐一国語辞典で調べること。その際、例文をチェックして語が実際どのように用いられているかを確認することが重要である。言葉に関する知識を体系だったものにするためには、現代文の用語集を用い、類義語や対義語も合わせて覚えるのがよい。また、文学史では冷戦後に書かれた作品を答えさせる問題が出ており、現代に近い時代まで押さえておく必要がある。国語便覧などを活用して著名な作家と代表作、活躍した時代などに関する知識をまとめておこう。

多彩なテーマに対応する

例年幅広い分野から出題されるだけでなく、問題文のなかにはまさに今日現実の課題となっているテーマを扱うものも多い。こうしたテーマに関して多少でも背景や論点を知っていれば、読み解くうえで大きな助けとなるだろう。用語集のなかには各分野の主要な論点を解説したものがあるので、繰り返し熟読し、イメージを固めておこう。

読解力を鍛える

問題文が質量とも手強いので、問題の解き方と同時に、問題文の読み方を鍛えよう。字を眼で追うスピードを上げても、内容が頭に入らなければ意味はない。文脈を見失うことなく文章を読み通し、理解することの方が重要だ。問題演習をする際には、最初の数段落で文全体の論点をつかむこと、一つひとつの文や段落が互いにどう関係しているのか把握することを念頭に置いて読む。慣れないうちはメモを取ったり図式化したりしながらゆっくり進めればよい。記述問題が出題される文学部のA方式を受験するのであれば、30~50字程度の記述問題が含まれる問題集で対策しよう。答案は添削してもらうのが望ましいが、一人で勉強する場合でも、答案が問いの求める記述になっているか検討する習慣を身につけよう。