河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

化学

2017年度入試の問題分析

2017年度の出題範囲は「化学基礎」の全範囲であり、出題数や問題の難易レベルは2016年度とほとんど変わっていない。私立栄養学系の大学としては、問題レベルは標準的であり難問・奇問はない。しかし、範囲が狭い分、正誤問題などで正確な知識が要求されている。

問題構成は、大問が4題で、さらにそれぞれが2~12問の小問に分かれている。小問間の関連性はなく、単問群となっている。解答形式はすべて選択肢のマークシート方式であり、解答総数は30と若干多い。最大で選択肢数が15個もあるので、当て勘で正答を見つけることは不可能である。よって、正確な知識と解答能力を身につけることが重要となる。

大問1は、物質の探求の単元から日常生活と化学からの分野の問題と単体と化合物の分類の2題の出題で、基本レベルであるが正答率が高くない分野であった。

大問2は、物質の構成粒子、周期律、化学結合、化学変化と物質量の単元からで2016年度同様12問の出題となり、出題率が高いので注意したい。問題は標準問題であるが、 濃度計算、分子の形と極性の問題など生徒が苦手とする分野の問題が出ているので、きちんとした知識・計算力が必要な問題であった。

大問3は、酸と塩基の単元から7問。酸塩基の単元は出題率が高いので今後とも注意したい。

大問4は、酸化還元の単元から2017年度も9問で、基本~標準レベルの問題であった。出題率が毎年高いことに留意したい。

2018年度入試対策・学習アドバイス

2018年度も「中和反応:酸と塩基」・「酸化還元反応」でそれぞれ大問1題分20~30%程度の出題率になると思われるので十分な対策をしたい。

1.物質の探求分野は出題範囲が限られ、過去の出題も多くなく、問題集でもあまり多くの問題が収録されていない。そのため、対策がおろそかになる単元であるが、逆に、ここをしっかりと対策をすると差がつくということでもある。有効な対策は教科書の当該単元を隅から隅まで覚えるつもりで何回も読むこと。入試問題作成者は教科書に記載されているか否かを意識して問題をつくり込んでいくので、教科書がバイブルとなる。

2.物質の構造など:周期表を第4周期まで書けるようにしておき、価電子を意識して、化学結合と関連づけて、同族元素をひとまとめにして知識増やしておくこと。特に周期律を意識していくと整理しやすく、定着もしやすい。

3.中和反応・酸塩基分野で7~8問も出ているので、塩の分類、滴定曲線、中和滴定、?計算、濃度計算、指示薬の選定、実験操作など頻出のものは必ずできるように徹底的に準備すること。

4.酸化還元の問題の割合が高く25%以上の配点比があるので、万全な準備をすること。酸化還元反応の見極め方は酸化数チェックがポイントなので、酸化数に強くなろう。酸化還元滴定やイオン化傾向・電池も押えておきたい。

最後に過去問題集の演習および研究をすることは極めて有効な受験対策となる。ただし、過去問のうち、2018年度の試験範囲外の問題もあるので、取捨選択して演習すること。その際、入試問題は何をポイントに置いて学習して大学に入ってきてほしいかのメッセージだと思って一問一問丁寧に出題の意図を考えながら復習をするとより一層効果的である。

また範囲が重なるのでセンター試験の「化学基礎」対策問題集の活用も有効である。演習で時間配分に留意し、解答するスピードを養っていくこと。