河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

化学

※前年度入試の学習アドバイスです。今年度情報は9月下旬より順次更新いたします。

2017年度入試の問題分析

I期は、1 .アミノ酸の代謝分解と窒素の排泄法、2 .硫黄とその化合物、3 .リンとその化合物、リン酸の電離平衡、4 .炭酸ナトリウムの二段滴定、5 .燃焼反応の量的関係と燃焼熱の大問5 題であり、2016年度はなかった無機分野からの出題が増加した。大問2~5 は基本~標準レベルの難易度であったが、大問1は化学としては範囲外の内容で、生物で詳しく学習したことがないと答えるのが難しい問題である。また、アミノ酸の名称の3 文字表記は覚えておく必要がある。

II期は、1 .糖類の総合問題、2 .過酸化水素の反応と酸化還元滴定、3 .二酸化炭素の溶解度と炭酸の電離平衡、4 .計算小問集合(化学反応の量的関係、気体の圧力、凝固点降下、燃焼熱と生成熱、気体の溶解度、電気分解、結晶格子)、5 .ケイ素とその化合物の大問5題で、全分野から幅広く出題されている。ほとんど基本~標準レベルの難易度であったが、計算問題の量が多く、大問3はやや難しい。

I・II期ともに受験者層の学力に比べ、問題内容が全体的に易しいため、合格ラインはかなり高くなると思われる。

2018年度入試対策・学習アドバイス

理論分野

例年、理論分野からの出題は標準的な難易度の問題であり、複雑な思考過程を要するような難問は出題されていない。出題範囲に偏りはなく、どの学習項目からも出題される可能性がある。典型問題の演習を通じて、重要事項を理解し、各テーマの公式と解法パターンを確実に身につけていくようにすること。

無機分野

主要元素(ハロゲン、O、S、N、P、C、Si、アルカリ金属、アルカリ土類金属、Al、Zn、Hg、Fe、Cu、Ag、Cr、Mn)の単体と化合物の性質と反応、気体の製法と性質、金属イオンの分離と分析、化学工業について整理して着実に覚えていく必要がある。そのうえで、合金やガラスの種類と特徴などのやや詳細な知識が要求されることもあるので、機会があるごとに教科書や図説を参照し、知識の拡充を図るとよいだろう。

有機分野

脂肪族・芳香族化合物については、はじめに各官能基の性質と反応、および代表的な化合物の合成経路を整理して覚えていくこと。そのうえで、問題演習を通じて幹となる知識の定着を図るとともに、分子式の決定、異性体の列挙や数え上げ、該当する化合物の構造決定の訓練を十分にしておきたい。

油脂とセッケン、糖類、アミノ酸とタンパク質、核酸を中心とした天然有機化合物からの出題頻度が他大学に比べて非常に高い。こららについては、油脂の構成脂肪酸、単糖類・二糖類・多糖類、タンパク質を構成するアミノ酸、核酸塩基の種類と構造・性質など、かなり詳細にわたって知識を整理しておく必要がある。教科書や図説を隅々まで読み込み、絶えず知識の拡充に努めていきたい。さらに、合成高分子化合物についてもおろそかにしてはならない。

今後の学習の指針

問題演習については、標準的な問題集を1冊確実にものにしよう。そのうえで、過去問演習に取り組もう。また、知識整理のためのノートを用意し、教科書などの読み込みや問題演習を通じて新たに得た知識は、それにどんどん書き足していくようにすると効果的であり、直前期に全体を見直すのにも非常に役立つであろう。