河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

数学III・B

2017年度入試の問題分析

I期とII期で2回試験が行われたが、I期とII期で問題数や難易度にほとんど変わりはない。

I期は、1は小問集合で(1)複素数平面、(2)ベクトル、(3)数IIIの関数、2は大問で確率、3も小問集合で(1)数列、(2)数学Bの確率、4も小問集合で(1)対称式、(2)数列、(3)図形と方程式、(4)数学IIIの微分、(5)数学IIIの積分からの出題であった。2の(3)だけが記述式で、残りは答えだけを記す短答式であった。

II期は、1は小問集合で(1)確率、(2)ベクトル、2は大問で複素数平面、3も小問集合で(1)整数、(2)空間図形、(3)解と係数の関係、4も小問集合で(1)三角関数、(2)対数、(3)数学IIIの微分、(4)数学IIの積分、(5) 数学IIの積分からの出題であった。II期は全問で答えだけを記す短答式であった。

いわゆる難問はほとんど出題されなかったが、計算力や読解力を必要とする問題が多く、結果だけが採点される短答式では、ミスはもちろん、時間をかけすぎると全体としての高得点は難しい。また、図形に関する出題が少なく、ベクトルの問題を含めても計算主体の問題が目立った。数IIや数IIIの微分・積分に関する出題が多く、増減表を書くなどの型どおりの計算は正確に時間をかけずに処理することが必要だったと思われる。また、新課程の整数や複素数平面もしっかりした問題が出題され、多面体定理まで出題された。この傾向は今後も続くだろうと考えられる。I期の記述式の問題は、確かに論証の過程を記述することが必要であるが、小問で1問だけであるから、それほど負担にはならなかったであろう。また、問題文で特別な記号や表現を定義した問題が出題され、慣れていない受験生は戸惑ったかもしれない。

2017年度入試対策・学習アドバイス

昭和大学は英語と数学が同一の冊子に印刷され両方を合わせて140分で解答するという独特な方法であり、時間の使い方が重要な鍵を握るであろう。数学の問題は小問であれ大問であれ難問に分類される問題ではないが1問1問が計算力を要するしっかりした内容なので、140分のうち単純に70分を数学にあてるとすると時間に余裕があるとはいえない。

ここ数年は図形の出題は少なくやや偏った印象を受けるが、以前は、数学IIIまでの全範囲からバランスよく出題されているから、苦手な分野がないようにしておきたい。そのうえで標準的な入試問題集を1冊仕上げておくとよいだろう。数学Bの確率や多面体定理など見落とされがちな内容が出題されたことでもあるから、教科書の全範囲で穴のない知識と練習が必要である。

記述式については年々その割合が少なくなっていて、今後は全問短答式となる可能性も十分考えられる。記述式で出題されたとしても、よほど複雑な論証の問題でなければ、記述の仕方で大差はつかないと考えられるから、簡潔な言葉で記すことを心がければ、特別な対策が必要とまではいえない。そのような時間があるのであればややレベルの高い典型的でかつ計算主体の問題を繰り返し練習しておくほうがよいであろう。

繰り返しになるが入試本番では英語との時間配分が鍵となりそうである。直前期などに過去問にチャレンジする場合は、本番と同じ時間で英語と一緒に解き、何分ぐらいを数学にあてるか、解きやすい問題を選び、どの問題から解き始めるかなどの本番のシミュレーションを何度かしておきたいところである。