河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

日本史(TEAP利用型)

※前年度入試の学習アドバイスです。今年度情報は9月下旬より順次更新いたします。

2018年度入試の問題分析

大問は1題、小問は11問(2017年度は12問、2016年度は13問、2015年度は11問)であった。上智大学の他学部の入試問題と比べると設問数は非常に少ない。しかし、少ないからといって甘く見てはいけない。例題文(総字数約2,700字)が提示され、資料も計4本(計約2,000字)使用されている。出題形式は、空欄補充1問・下線部設問4問、正誤判定2問・短文抜き出し(50字)1問・論述問題3問(50字・100字・100字)である。出題されたテーマは「日本および日本文化礼讃に対する警鐘」で、2017年度の「近代日本における女性の歩み」や2016年度の「日本の歴史における〈死〉の在り方」に比べると、設問の一部には、学習したことがあり一定の知識を持っていれば、解答できるものもあった。その一方で、例年どおり、例題文・資料の内容を理解しなければ解答できない、高度に考えられた出題もあった。また論述問題では、設問文をよく読んで設問の要求を把握しなければ、上智大学の求める解答は作成できなかったと思われる良問が出題された。

2019年度入試対策・学習アドバイス

上智大学のTEAP利用型入試は2015年度から始まったので、頻出テーマを予想することはできない。しかし、長文の例題文を使用する出題形式は共通している。ただし引用された例題文の字数にはばらつきが見られる(2015年度は約4,000字、2016年度は3,000字、2017年度は6,000字、2018年度は2,700字)。また2015年度は統計表、2016年度は図版が使用され(2017年度は統計表・図版とも使用されなかった)、2018年度は地図が使用されるなどのこちらも一定していない。さらに、2015年度の選択問題は短文選択のみであったが、2016・2017年度は年号や語句選択が、2018年度は語句に加えて短文選択も出題された。そこで出題形式から見える合格のための学習アドバイスを示してみたい。例えば、2016年度の年号問題では、語呂合わせなどで記憶した年号が問われたわけではなく、例題文の内容から推定するできる年号が問われた。また語句選択も記憶している知識をそのまま反映すれば解答できるものは少なく、例題文の内容を把握できないと正解にたどりつけないものが多い。ただし誤解しないでほしいが、年号も語句も日本史の基本知識を前提としないと解答できないように工夫されている。以上の点から上智大学が求める学生像を見ることができる。基本的な知識を習得し、その知識を活用して、短時間で与えられた情報を分析できる学生を求めているのである。諸君もそれに応える学習をする必要がある。では、どのような学習を積めばよいのか。まず教科書を「なぜ」という視点を持って、興味を持って読んでほしい。さらに丸山真男『「文明論之概略」を読む』などの評論文に挑戦するのもよいだろう。しかし、これだけは実戦力を養成することはできないが、TEAP利用型入試に対応した問題集は存在しない。そこで東京大学や慶應義塾大学などの過去問を利用するのも一手である。例えば、統計表を利用した論述問題ならば慶應義塾大学(経済)で出題されている。また提示され文章から情報を読み取り、基本知識を前提に解答をまとめる問題は、東京大学や慶應義塾大学(文)で出題されている。最後にTEAP利用型入試では、真剣に学習を積み、思考する日々を過ごしている受験生が合格できる問題が出題されていることを述べておきたい。