河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

現代文

2017年度入試の問題分析

国語全体としては、受験学部や日程によらず3題で共通しているが、古文や漢文が含まれるかどうかによって、解くべき現代文の問題数には1~3題と違いがあるので、自分がどのパターンで受験するのか、的確に把握しておこう。また、経済学部・総合人間科学部看護学科では、明治から昭和初期にかけて書かれた、いわゆる近代文語文も1題出題されるので要注意である。問題文のジャンルは思想論、言語論、社会論科学論などで、抽象度の高い硬質な文章が好んで取り上げられている。同一著作の2つの箇所が出題されることもあるが、解答の仕方に特別の違いはない。1題あたりの分量は2,000字強~4,000字弱まで様々である。試験時間は、記述式と客観式の併用である文学部国文学科のみ90分(1題あたり30分)、客観式で問われるほかの学部・学科は一律60分(同20分)である。

1 題あたりの解答数は7~12と問題ごとにまちまちだが、本文中に傍線部が多く引かれ、その内容や理由について4択問題を課すという基本的な出題形式は、日程によらず上智大学入試に顕著な特徴である。ほかには不適切なものを選ぶ問題や5つ以上の選択肢のなかから複数解答する設問がしばしば見られ、語句の意味を問う設問や空欄補充問題、グループ分けの問題、文学史などの出題もときおり見られる。ただ、漢字問題は国文学科を除いて出題されない。全体的な難易度は、やや難~難レベル。短時間で的確な判断力を発揮することが求められる、厳しい試験である。

2018年度入試対策・学習アドバイス

上智大学入試問題の厄介な特徴は、第一に傍線部とそれに関する設問の多さであり、第二に選択肢の紛らわしさであり、第三に解答時間の短さであるといえる。そこで、順に説明しながら、効果的な学習法を模索していこう。

迅速かつ的確な選択肢吟味が不可欠

まず設問の多さだが、設問の多くは傍線部前後の文脈を的確にたどることで正解の手がかりが得られるものとなっている。そこで、設問を読み、傍線部前後を慎重に確認しながら選択肢を吟味し、正解を確定するという過程を繰り返し練習していくことが有効となる。私立大学型で難度が高めに設定された問題集で積極的に練習していこう。

選択肢と本文の関係を徹底分析する

とはいえ、正解がかなり特定しにくい設問もときに見られる。問題演習の際にそうした設問に出合ったら、練習段階ではじっくりと腰を据えて、各選択肢が正答や誤答となる根拠を徹底的に分析してみよう。信頼できる人と議論するのも効果的である。そうすることで、当初は見えていなかった筋道が見え、それが精密な読解の訓練ともなる。

読解と解答を並行して進める訓練を

ただし、上智大学入試の試験時間は短く、本文全体を熟読してから設問に取りかかるのでは時間が足りない。したがって、上智大学入試に関しては、本文の読解と設問への対応を同時並行で進めるのが現実的だろう。過去問を題材に、限られた時間内で、読みの精度を落とさず解答する訓練を積んでいこう。自分の受験する日程以外の過去問も貴重な練習材料として活用したい。

近代文語文は抵抗感の払拭に努める

なお、近代文語文対策だが、読み慣れない文体ではあっても、内容さえ把握できれば設問には対応できる。文語文と現代語訳の双方を収めた書籍などを用いて読みにくさを払拭していこう。