河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

生物

2017年度入試の問題分析

出題形式は、すべてマークシート方式で5題からなる。1題あたりの設問は5~8問あり分量はやや多いので、90分で解答するためには過去問を練習する必要がある。知識問題と考察問題がほぼ半分くらいずつ出題されるので、教科書を読んで実験データやグラフなどを詳細に理解することが必要となる。生殖・発生の分野からヒトの配偶子形成・ウニの初期発生・ショウジョウバエの母性因子、遺伝・遺伝子の分野からタンパク質合成・遺伝子導入・PCR法、動物の反応と行動の分野から受容器と効果器・ミツバチのダンス・アメフラシの慣れ・ネズミの迷路学習、生物の体内環境の分野から細胞性免疫とMHC、代謝の分野から光合成細菌と化学合成細菌の炭酸同化・呼吸と発酵が出題された。2016年度に出題された生態系の分野および進化と系統分類の分野からの出題がなかった。前期日程2回の受験日程で、遺伝・遺伝子、生殖・発生および代謝の分野の問題が重複して出題されている。また、呼吸と発酵については、2015~2017年度の3年連続で出題されている。新課程の教科書の生物基礎および生物分野から幅広く出題されているが、教科書からの出題が中心となっているが、遺伝・遺伝子の分野では、教科書の発展分野に関する事項や実験・考察が多く出題されており、注意する必要がある。また、遺伝子や代謝(光合成や呼吸・発酵など)に関する計算問題も多く出題されている。

2018年度入試対策・学習アドバイス

教科書の基本事項を覚える

教科書を中心に基本事項を体系的に理解して覚えることが重要となる。学習するときは教科書の本文だけを理解するのではなく、図表やグラフも理解することが大事である。前述の入試問題傾向にもあるように、幅広い分野の問題が出題されるため、実験データやグラフなどの資料を分析できないと得点に大きな差が現れる。特に知識分野は時間が経過すると、覚えたことを忘れてしまうので、書き込み式のサブノート的な問題集を使うとよいだろう。また、教科書で発展分野に相当する部分は資料集を使って理解する必要がある。

教科書の傍用問題集を利用する

教科書で理解して覚えたことを定着させるには、教科書と同じ出版社の問題集を使うとよい。例題や基本問題をやらないと得点源にならないため、おろそかにしないようにしよう。その際には、各分野の単元ごとに、例題や基本問題のみを先に終わらせ確実に理解してから、次に応用問題のみを単元ごとに終わらせる。同様に最後は実戦問題のみを単元ごとに行ってレベルアップを図れば、少し難しい考察問題や計算問題が解けるようになるだろう。

計算問題に注意

遺伝子・代謝の計算が毎年出題されている。計算に関する分野は非常に得点に差がつきやすいので、確実に得点できるようにしたい。最初はゆっくり問題を読んで解答すればよいのだが、慣れたら1問あたり5分以内で正答が得られるように時間を計って練習することが必要である。計算問題は苦手意識がある受験生が多いので、得意分野になるように何回も繰り返し演習して努力してほしい。また、生物の体内環境の分野にある腎臓に関する計算や酸素解離曲線の計算、進化と系統分類の分野にある分子系統樹の計算は、過去に多く出題されている。ほかの生命科学系の大学の過去問も利用して、練習するとよい。