河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

現代文

2017年度入試の問題分析

入試はI期とII期とがあるが、ここでは現代文だけで受けられるI期の2科目型の問題を分析する。ここ数年、問題形式が一定していない。2015年度は問一が5,400字の評論問題、問二が文学史問題も含んだ横光利一の小説、問三が四字熟語や文法、文章の整序問題の大問3 題であったが、2016年度は、問一が7,000字の評論、問二は3,000字の文章に6 つの脱落部分を挿入する問題、問三・四が慣用句、問五が文学史で大問5 題。2017年度はまた変わり、全体で大問4 題となり、問一が5,700字ほどの評論(日本文化論)読解、問二が与謝野晶子の短歌を論じた2,000字の文学史問題、問三が1,000字の文に四字熟語や言葉を挿入する語彙(ごい)問題、問四が2,000字の石川啄木の短歌を論じた読解問題になった。全体の傾向としては長文読解、四字熟語などの語彙(ごい)、文学史を重視するという点で2016年度までと同じだが、大問形式の変化と短歌に偏重した文章内容などで2017年度の特異点も見られる。問一の長文読解の文章内容は、2015年度が哲学的で難解なもので、2016年度も比喩の原理に関するものでわかりづらかったのに比べれば、2017年度は日本文化論でやや易化した。設問は漢字、空欄補充、語彙(ごい)説明、傍線部説明、本文内容説明など一般的なものだが、文学史問題、語彙(ごい)問題が多く、また本文で説明されている比喩の形式の具体例を答えさせる問題もあり応用力も試される。

2018年度入試対策・学習アドバイス

漢字の意味を覚え語彙(ごい)力をつけよう

言葉を文章中に挿入する問題や四字熟語、慣用句などの理解度を問う出題も多いので、基礎的な言葉の意味をしっかりと覚え理解することが求められる。その基礎になるのは漢字である。漢字は読みと形とを覚えればよいわけではなく、一字一字の漢字の意味を正確に理解することが大切だ。漢字一字の意味を理解できれば、その漢字が構成するほかの熟語や四字熟語も理解できるようになる。日本語の評論文の重要語句は、ほとんどが漢字2 、3 字で構成される漢語なので、漢字の意味の理解は、すなわち評論文に対応する言葉の力を身につけるということにもなる。そのためには、漢字を覚えるときには必ず漢和辞典を使ってほしい。国語辞典には漢字自体の意味は載っていないからだ。漢字の意味を理解することにより、その漢字がつくるほかの単語の意味も推測できるようになる。さらに対義語や類義語なども意識して漢字のネットワークを拡げることができると、文章中の対比や言い換えを理解しやすくなり、読解力もついてくる。

文章を図式化してみよう

長い文章の読解問題が出題され、また小見出しをつける問題もあるので、文章理解力が求められる。そのためには、文章全体の内容を把握できる力をつけよう。一般的な問題集を利用して、この文章のテーマは何かを意識しながら、キーワード、キーセンテンスに線を引き、その箇所をノートに書き出してみる。書き出したものを対比・言い換え・因果関係などで整理し、図式化してみよう。すぐにはできないだろうが、文章の解説がしっかり図解されている問題集を参考にして、練習を重ねていくとよい。

文学史も学ぼう

例年、文学史の出題も多いので、明治~昭和期にかけての主要な作家の作品と文学史の流れを、ノートに整理して理解しておこう。