河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

古文

※前年度入試の学習アドバイスです。今年度情報は9月下旬より順次更新いたします。

2018年度入試の問題分析

出典は2月2日試験が新井白石『藩翰譜』(歴史)、2月3日試験が上田秋成『癇癖談』(随筆)であり、ともに江戸時代の文章であった。 設問内容は、単語の意味、部分訳の選択、動作主の判定、副詞の空欄問題、現代語訳の記述、内容・心情説明の記述、さらに文法問題(動詞の活用の種類と活用形、「ぬ」の識別)が出題された。 解答の形式は、2月2日試験は副詞の空欄問題(2ヵ所)、部分訳問題マークシート方式3問、理由説明マークシート方式1問、動詞活用の種類と活用形の問題マークシート方式(2ヵ所)、心情説明が記述式(40~60字)だった。2月3日試験は単語・語句の意味(3ヵ所)、会話主問題(3ヵ所)、「ぬ」の識別問題(5ヵ所)、内容説明2問、指示語の内容問題がマークシート方式、指示語を含む現代訳問題1問が記述式だった。 問題文の長さは、『藩翰譜』が約900字、『癇癖談』は約850字と両試験とも2017年度よりは文章が長めになっている。

2019年度入試対策・学習アドバイス

古文単語は記述対策が必要

古文単語の学習は300語レベルまでは必要である。2018年度設問のうえで問われた語句は「さすがに」「ながむ」「わたらひ」「たくまず」「あかず」「年ごろ」「すでに」などである。文中で使われた重要単語としては「いたづらなり」「うとむ」「あさまし」「おごる」「ことわり」などが挙げられる。また「副詞の呼応」を作る単語として「え…(打消)」「よも…(打消)」「さらに…(打消)」なども重要である。

動詞の活用の種類、活用形は正確に

活用の種類(何行何活用)と活用形(何形)が問われた動詞は、「落つ(タ・上二)」「顧みる(マ・上一)」であり、「顧みる」は行を間違いやすい動詞である。行について間違いやすいものをほかに挙げておくと「老ゆ(ヤ上二)」「消ゆ(ヤ下二)」「恋ふ(ハ上二)」「植う(ワ下ニ)」などがある。活用形は、「ず」の上が何形であるかを問うものが出題された。 識別問題では、「に」「なり」「ける」「せ」「れ」などにも注意しよう。

現代語訳の問題は総合力

2月2日試験の現代語訳問題はマークシート方式で2題出題されている。2月3日試験は記述式で出題されている。 敬語動詞の「おぼす」「のたまふ」「たまふ」「大殿籠る」などは訳だけでなく、尊敬語は動作の主体、謙譲語は動作の客体に注意する。 さらに、「ましかば…まし」の反実仮想や「など(~疑問・反語)」など、文法の重要事項が含まれる箇所は必ず現代語訳できるようにしよう。 2018年度は出題がなかったが、和歌では、「ふる」を「降る」と「経る」、「うき」を「憂き」と「浮き」のように漢字で書き分ける掛詞の設問が多い。 現代語訳では、文法力、単語力、文脈把握力と総合的な力が要求されてくるので本腰を入れた学習が必要になってくる。入試問題を使って可能なかぎり読解演習を増やすことである。白百合女子大学では、2011年度以降学科別の試験から日程別の試験となって、それまでの国語国文学科に課せられていた長めの記述問題がなくなり、学科による設問の差はなくなった。したがって2011年度以降の問題はどの学部を受験するのにも対策として有効である。