河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

現代文

※前年度入試の学習アドバイスです。今年度情報は9月下旬より順次更新いたします。

2017年度入試の問題分析

学部の出題内容と形式

家政学部と看護学部は同一の問題で、大問が2題。第一問は、自然災害において、科学が政策に対してどのように関わるべきかを論じた文章。第二問は、耳という器官が、音を聞くための器官であるだけでなく、自身が置かれている環境と、そこにおける自分の状態を知るための器官でもあることが、自分の経験と進化のプロセスから説明される文章だった。文芸学部の第二問は同一の問題(第一問は古文)。設問はマークシート方式のほかに、漢字の記述と、抜き出し問題が課された。抜き出し問題では、同じ内容を様々に言い換えた複数の表現のなかから、字数に合うものを探さなければならず、読解力も手間も必要。空欄補充問題も、文脈を理解できていないと解けないものが多かった。漢字および語彙(ごい)に関わる設問も多い。国際学部は、その他の学部と共通する出題はない。第一問では日本において格差意識が発生した原因を論じる文章が、第二問では、科学技術と英語との関係を扱った文章が出題された。また第三問は、短い文章のなかから、書き言葉として適切ではない表現と、文法的に誤った文を指摘し修正することを求める問題。正しい日本語で書く能力が問われた。ほかの学部よりも解きづらい。

2018年度入試対策・学習アドバイス

文章を正確に理解できれば、比較的容易に解くことができる設問が多い。したがって、設問を解くのに苦労するということは、読解力にその原因がある。読解力を高めるためには、以下のような対策が考えられる。

語彙(ごい)を増やす

まずは語彙(ごい)を増やす必要がある。漢字の学習は必須。漢字・語彙(ごい)を直接的に問う設問も多い。また、物事を説明したり理解したりするには必要不可欠な、多くの抽象的な言葉もその過程で覚えられる。難しそうに見える言葉に脅えて内容が理解できなくなるという事態だけは避けたい。それ以外にも現代文の重要語を集めた参考書などで、多くの言葉に触れてほしい。

視点に慣れる

入試問題で出題される多くの文章は、日常生活を送るのに必要な視点とは、まったく別の視点から物事を分析したものが多い。書かれている内容は、実は受験生にも関連があるもの、あるいはまさに日常そのものを扱ったものではあるが、その視点の置き方に戸惑ってしまうことも多い。「多くの人が素通りしてしまっている物事を明らかにしてきちんと論理的に理解する」ことを目的とした文章に多く触れておきたい。楽しみながら理解するという経験の積み重ねが、読解力向上への近道だ。

主題への意識

設問を正確に解くためには、論旨を正確に追い、内容を頭に残さなければならない。そのために不可欠なのが、主題に対する意識だ。主題とは、その文章において「説明の対象」になっているものである。言い方を変えると、読者が理解しなければならないことだ。通常はたったひとつしかない。その主題に対する説明が、残りの文章全体を占める。そして、「この部分は何を説明するためのもの?」という意識を持つと、各部分の関連が見えやすくなる。そうすれば、理解した内容が頭に残り、理解したことを、実際に設問を解くときに生かせる。接続詞の穴埋めでも、このような力が問われている。