河合塾講師が分析する大学別・教科別学習アドバイス。昨年度入試の分析や今年度入試の対策・学習アドバイスを掲載しています。

化学

2017年度入試の問題分析

問題内容と難易度は以下のとおり。大問1は2問に分かれている。[1-1] 硫酸銅(II)の水への溶解度や、その五水和物の加熱による質量変化からの組成式を考察する計算問題。[1-2] 黄銅を硝酸に溶かし、その後に金属イオンの反応を問う問題と、硫酸鉄(II)を過マンガン酸カリウム水溶液で酸化還元滴定する問題。前者の化学反応式は、基本事項ではあるが書けない受験生が多いので、差がついたと思われる。大問2は2問に分かれている。[2-1] 飽和水蒸気圧と混合気体に関する計算問題。変化の様子を図示しながら問題文を読んでいけばいいのだが、文字式で答える問題なので、解けた受験生は多くはないと思われる。[2-2] 燃料電池のエネルギー変換効率を求める計算問題。1J=1V・Cの関係が与えられていないので、解いた経験の有無によって差がついたと思われる。大問3は3問に分かれている。[3-1] アルケンの付加反応から分子量を求めて構造決定する基本問題。[3-2] ジアゾ化を中心とした芳香族化合物の反応に関する基本的な知識問題。[3-3] C8H10およびC4H10Oの異性体を数える問題、エステル化の化学反応式、ジペプチド、フェノールの置換反応の化学反応式の小問集合。すべて基本的である。全体としては、これまでに比べて基本的な設問が多く、例年見られる考察・論述問題もなく、かなり平易になった。平均点も上がったと思われる。

2018年度入試対策・学習アドバイス

理論分野への対策

2017年度は出なかったが、例年は、実験や自然現象に関する考察力を問う問題が出題されており、学習院大学入試の特徴である。対策としては、日頃から身の回りの現象や物質について「何故?」と気にする・調べる習慣をつけることと、常に図説を持ち歩いて隙間時間に目を通すようにすること。ネットで実験に関する動画を閲覧することなどがあるが、市販の問題集では見かけない問題なので、何より過去問にできるだけ取り組むことである。ただし、そのような設問は一部であるから、ほかの基本〜標準の設問をしっかり得点する学力をつけることが先決であるのはいうまでもない。特に、2017年度のような出題が今後も続くのならば、なおさらである。

無機分野への対策

学習院大学ほど、化学反応式を書かせる大学はあまりない。平易になった2017年でも、化学反応式の設問は多い。不得手な受験生が多いので、重要な化学反応式はさっと書けるようにしておきたい。それには手を動かして書くことである。無機分野の設問自体は基本知識が多いので、必ず得点できるようにしよう。

有機分野への対策

理論分野と比べると基本的な設問が多いので、ここでしっかり得点しておきたい。典型的な構造決定の解法をマスターすることが第一であるが、無機分野と同様に有機分野でも、化学反応式を何本も書く説問が出題されている。構造決定はできるけれど化学反応式は書けないという受験生は少なくない。双六のような反応のまとめで学習することは悪くないが、そのひとつずつの変化を化学反応式で書けるように取り組もう。ここでも手を動かして書くことが大事である。また、異性体を書き上げることが構造決定の学力の土台なので、よく練習しておこう。